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整形外科勤務の柔道整復師が行う日々の治療と教育【野島整形外科・内科|立木北斗】

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柔道整復師として日々現場で活躍する立木北斗さん。東京都清瀬市にある野島整形外科・内科でリハビリテーションを担当しながら、柔道整復師としての知識と技術を次世代に伝える非常勤講師も務めています。そんな立木さんが、柔道整復師という職業を選んだ理由、日々の臨床で感じるやりがい、さらには後進を育てる立場での思いを語ってくれました。整形外科での業務や学生への教育を通して得た経験や視点、柔道整復師としての未来を考える立木さんの姿をぜひご覧ください。

輪違
お久しぶりです、POSTの輪違と申します。今回は立木さんに来ていただきました。今回、セラピスTVにもご出演いただくこととなりました。

 

輪違
立木さん、簡単にで結構ですので、自己紹介をお願いできますでしょうか?

 

立木さん
はい、今32歳の立木北斗と申します。現在は東京都清瀬市の野島整形外科・内科という小さなクリニックで、リハビリテーション科の柔道整復師として日々診療にあたっています。

 

立木さん
また、東京呉竹医療専門学校で非常勤講師として、学生に柔道整復理論を教えているのが現在の活動です。

 

輪違
ありがとうございます。今お話ししていただいた内容を少し掘り下げさせていただきたいのですが、立木さんはどうして柔道整復師になろうと思ったんですか?

 

立木さん
私は高校まで野球をやっていて、怪我をすることが多かったんです。また、高校は体育科だったので、正直あまり勉強をしていませんでした。

 

立木さん
このまま大学に行っても勝てないなと思い、違う道を選ぶことで、みんなと同じスタートラインに立てるのではないかと考えました。そして、怪我も多かったので接骨院や整形外科に通う機会があり、そういう道に進もうかなと思ったのがきっかけです。

 

輪違
野球をやっていたということですが、かなり本気でやっていたんですか?強豪校にいたとか?

 

立木さん
強豪校というほどではないですが、一応野球には没頭していました。

 

輪違
高校時代の野球部には、柔道整復師の先生がトレーナーとして来ていたり、怪我をして接骨院に通ったりしていたんですか?

 

立木さん
そうですね。今働いているところにも、学生時代から子供の頃から怪我でお世話になっていました。そして、そのまま今そこで働いているという感じです。

 

輪違
柔道整復師の学校ではどんなことを学ぶんですか?

 

立木さん
専門学校には3年間通い、まずは体の解剖学的な基礎から始まり、各種の怪我に対する治療法を学びます。また、法律や保険の扱い方など、関係法規も学ばなければなりません。

 

輪違
柔道整復師の学校では柔道の授業もあるんですか?

 

立木さん
ありますね。

 

輪違
強いんですか?

 

立木さん
私は強くないですが、学校には日本チャンピオンのような非常に強い人もいました。

 

輪違
柔道整復師を目指す上で、柔道経験がなくても問題はないんですか?

 

立木さん
問題ないと思います。女性も柔道をやらなければいけませんが、みんな楽しそうにやっていましたよ。

 

輪違
柔道整復師の学校を卒業して、最初から今の病院で働いているんですか?

 

立木さん
そうですね、専門学生の研修時代から今の病院で働いています。

 

輪違
私は理学療法士ですが、リハビリ現場ではPT(理学療法士)と柔道整復師の先生が同じように診療に当たるんですか?

 

立木さん
病院によると思いますが、私たちのところはPTよりも柔道整復師の方が多く、柔道整復師主体でリハビリを行っています。

 

輪違
患者さんは似たような疾患で来られるんですよね?例えば、変形性膝関節症や変形性股関節症など。若い人なら捻挫とか。

 

立木さん
そうですね、大きくは変わらないと思います。

 

輪違
物理療法とかも使っているんですか?

 

立木さん
うちの病院は物理療法が盛んではないですね。低周波と超音波ぐらいしかありません。

 

輪違
立木さんはどのような治療をされるんですか?

 

立木さん
まずはなぜ痛みがあるのかをしっかり評価し、その痛みに応じたリハビリを提供する形ですね。

 

輪違
柔道整復師は接骨院に就職するイメージがありますが、整形外科で働いている柔道整復師はどのくらいの割合なんですか?

 

立木さん
あまり多くはないと思いますね。もともとうちの病院も接骨院から始まり、整形外科に移行したので、柔道整復師が多く残っていますが、整形外科で柔道整復師が主体のリハビリを行っている病院は少ないと思います。

 

輪違
整形外科で働きながら、学校で授業も担当されているとのことですが、どのような授業を教えているんですか?

 

立木さん
下肢の怪我を担当していて、骨盤から足の指先までの怪我について、骨折、脱臼、捻挫、軟部組織損傷などを教えています。

 

輪違
今回、セラピスTVでお話しいただいた中節骨骨折やPIP関節脱臼、マレットフィンガーといった怪我について、立木さんは今は下肢を教えているとのことですが、これらの怪我の上肢版のような授業をやっている感じですか?

 

立木さん
一応、教科書に沿って教えているという感じです。

 

輪違
柔道整復師の学校は今でも人気なんですか?

 

立木さん
最近は学生が減ってきているという話をよく聞きますね。

 

輪違
PT(理学療法士)の学校数は増えていて、大学は人気があるようですが、専門学校では定員割れが起きているところも少なくないようです。少子化の影響でだいぶ厳しくなっているみたいですね。

 

立木さん
そうなんですね。柔道整復の学校もかなり学生が減っていると思います。

 

輪違
私もあまり柔道整復師の知り合いがいないのでお聞きしたいのですが、今の柔道整復師の先生方は、どんな場所で働いているのが主流なんですか?

 

立木さん
やはり接骨院がベースになるんじゃないかと思います。その中でトレーナー活動をしている先生や、私のように教鞭をとっている先生もいますが、基本的には接骨院にいて、何か他の活動をしているパターンが多いですね。

 

輪違
接骨院って夜遅くまで営業しているところも多く、ブラック労働だと言われていますよね?

 

立木さん
どうなんですかね…実際にやっている時はそんなに感じなかったですね。それが普通だと思っていたので、今考えるとブラックだったのかもしれませんが、自分としてはそんなにブラックではなかったですね。

 

輪違
私の社員にもデイサービスで働いている柔道整復師がいるんですが、朝から晩まで働いて、夜遅くまで自分の時間がなくてすごく過酷だったとよく聞きます。それって3倍増しぐらいで話を盛ってるんですかね?

 

立木さん
それは各施設によって違うと思うので、私はあまりそこには言及できませんね。

 

輪違
接骨院で働いている方が主流ですが、トレーナー活動を副業でやっている方も多いんですか?

 

立木さん
そうですね。

 

輪違
最近では、デイサービスで働く柔道整復師も増えていますよね?ここ5、6年で特に。

 

立木さん
そうかもしれませんね。

 

輪違
働く場所としては、整形外科、接骨院、整体、学校の先生、デイサービスの機能訓練指導員といったところが主な選択肢になりますか?

 

立木さん
そうですね、その通りだと思います。

 

輪違
立木先生は骨折などの外傷の専門家だと勝手に思っているんですが、今回セラピスTVでお話ししていただく内容について、どんなことが学べるのか、立木先生の言葉で教えていただけますか?

 

立木さん
基本的には、その怪我に対してどのような処置が実際に効果的かを知ってもらいたいと思います。

 

立木さん
論文や文献通りに処置してもうまくいかないことも多いので、私自身の経験や先輩方から教わったことも含めて、他の先生方に「こうやるとうまくいくんだな」とか、「こうやったら失敗しちゃうんだな」と知ってもらえればいいなと思っています。

 

立木さん
うまくいったことだけでなく、失敗したことも含めて話していきたいです。

 

輪違
中節骨骨折やPIP関節脱臼といった怪我はよく見かけるんですか?

 

立木さん
はい、接骨院でもよく見かけますね。

 

輪違
これらの怪我はどんな状況で起こるんですか?バレーボールやバスケットボールとか?

 

立木さん
そうですね、バレーボールやバスケットボールで多いです。最近はバスケットボールをやっている子どもが増えているので、そういう怪我も増えています。

 

輪違
バスケットボールが増えているんですね。

 

立木さん
はい、Bリーグが始まってから、その影響もあると思います。

 

輪違
マレットフィンガーも今回のテーマの一つですが、どんな人がなりやすいんですか?

 

立木さん
やはり球技が多いですね。バレーボールやバスケットボール、野球も多いです。ボールを取ろうとして手を出した時に、グローブではない方の手を怪我してしまうこともあります。

 

輪違
私もマレットフィンガーになったことがあるんですが、ランニングの帰りにズボンを脱ごうとしたら紐が結ばれていて、それを解かずに無理に脱ごうとしたら、指が引っかかってバキッとなってしまいました。そんな感じの怪我もありますか?

 

立木さん
一度だけ、靴下を脱ぐ時に怪我した人を見たことがあります。

 

輪違
あまり多くはないんですね(笑)。

 

立木さん
そうですね、あまり多くないですね(笑)。

 

輪違
それから私は本当に気をつけるようになりました。こんなことで指が曲がるんだと思って。でも指がブランブランになって…。

 

立木さん
そうですね、結構びっくりしますよね。

 

輪違
そのような怪我のリハビリは私の中ではあまり多くない印象ですが、いきなり担当になった時にしっかりリハビリしないと後遺症が残ることもありますよね。今回の立木先生の講義を聞けば、そういう場面でもビビらずに対応できるようになる感じですか?

 

立木さん
そうなってもらえるといいなと思っています。

 

輪違
立木先生はずっと今の整形外科で働いていらっしゃいますが、柔道整復師は独立もできる職業ですよね。独立を考えたりはしなかったんですか?それとも今後考えていますか?

 

立木さん
今のところは独立を考えていないですね。院長が労働環境の改善に力を入れていて、現在の働き方が非常に恵まれていると感じています。まだまだここで学びたいことも多いので、今の職場で勉強を続けたいという気持ちが強いです。

 

輪違
学会活動もされているとお聞きしましたが、どのような学会で発表されているんですか?

 

立木さん
主に参加しているのは、日本柔道整復接骨医学会です。今年も12月頃にありますが、そこで発表することが多いですね。

 

輪違
日々の臨床で学んだことを、学会で発表して学術的な形で発信するという感じですね。

 

立木さん
そうですね。

 

輪違
ちなみに、立木さんにとって今後のキャリアプラン、5年後や10年後にどうなりたいかといった展望はありますか?今の病院で長く勤めたいというお気持ちもあると思いますが、こうなりたいというビジョンがあれば教えてください。

 

立木さん
私の目標は、いろいろな怪我を治せるようになることです。まだ遭遇したことのない骨折や、うまく治せていない怪我もありますので、そういったものをすべて治せるようになりたいというのが、今の率直な思いです。

 

輪違
立木さんのおすすめの書籍があれば教えていただけますか?

 

立木さん
書籍というよりも、私は医学雑誌をよく読んでいます。「オルソペディクス」や「関節外科」などの雑誌は、症例や疾患に関する特集が組まれていて、自分が気になっているテーマにぴったりの特集があると非常に役立ちます。

 

輪違
興味のある方にはぜひ読んでいただきたいですね。では最後の質問です。立木さんにとって「プロフェッショナル」とは何ですか?

 

立木さん
難しい質問ですね(笑)。私にとって、柔道整復師のプロフェッショナルとは外傷を治せる人だと思います。

 

立木さん
もちろん、いろんな疾患を治療できることも大事ですが、私自身は外傷を治せる先生こそがプロフェッショナルだと感じているので、そういう人になりたいと思っています。

 

輪違
今日はセラピスTVにご出演いただき、立木先生が柔道整復師になった経緯や、先生のプロフェッショナル像についてもお話ししていただき、誠にありがとうございました。

 

立木さん
こちらこそ、ありがとうございました。

【TherapisTV】指の外傷~柔道整復師としての対応~

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