リハビリの現場で使える腕立て伏せ処方
目次
はじめに
リハビリテーション現場において、上肢と体幹の筋力強化は重要な課題です。その中でも腕立て伏せは、特別な機器を必要とせず様々な環境で実施できる優れたエクササイズです。しかし、患者の状態に合わせた負荷設定が難しいという課題がありました。本記事では、腕立て伏せのバリエーションによる負荷の違いと、それをリハビリテーションプログラムに活かす方法について解説します。
腕立て伏せの負荷段階の考え方
近年の研究によれば、腕立て伏せの実施方法を変えることで、体にかかる負荷(地面反力)を大きく調整できることがわかっています。基本的に以下の原則が適用されます:
・手を高くする:負荷が軽減する(低負荷)
・通常の腕立て伏せ:中程度の負荷
・足を高くする:負荷が増加する(高負荷)
これらのバリエーションを活用することで、患者の状態に合わせた段階的な負荷設定が可能になります。
臨床で活用できる腕立て伏せバリエーション
低負荷バリエーション(体重の40-55%程度)
1.壁を使った腕立て伏せ:立位で壁に手をつき、壁に向かって腕を曲げ伸ばし
2.高い台を使った腕立て伏せ:テーブルやベッドなど高い場所に手をついて実施
3.膝をついた腕立て伏せ:膝を床につけた状態で実施
これらは、初期リハビリ段階や高齢者、筋力が低下している患者に適しています。
中負荷バリエーション(体重の60-65%程度)
1.通常の腕立て伏せ:標準的な姿勢での実施
2.低い台を使った腕立て伏せ:わずかに高さのある台に手をついて実施
中程度の筋力があり、基本的な上肢機能が回復した患者に適しています。
高負荷バリエーション(体重の70%以上)
1.台を使った足上げ腕立て伏せ:足をベンチなどの台に乗せて実施
2.不安定面での腕立て伏せ:バランスボールやBOSUなど不安定な面で実施
これらは、高度な筋力トレーニングやスポーツ復帰前の選手のリハビリに適しています。
臨床応用:負荷段階設計の実践ガイド
1. 患者評価と開始レベルの決定
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