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リハ関連の指摘が頻出|厚労省が指導・監査結果を公表

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厚生労働省は令和6年度に、令和5年度(2023年4月〜2024年3月)に実施した保険医療機関への指導・監査、適時調査の結果を公表しました。公表資料では、医科分野の中でもリハビリ関連の記載不備や算定要件未充足に関する指摘が複数項目にわたり繰り返し取り上げられています。

主な指摘内容

  • 診療録・リハ計画書の記載不備
    実施内容や時間の記録漏れにより算定単位数と一致しない事例が確認されました。医師指示と計画書の記載に食い違いがあり、更新日や署名が欠落しているケースも見られました。継続リハの必要性を示す評価(FIM、Barthel Indexなど)が省略されている事例もあります。

  • 算定要件未充足による請求
    脳血管疾患リハ料で基準外の経過日数にもかかわらず算定していた例や、運動器リハで医師の再診指示がないまま継続算定していた例が確認されました。在宅復帰加算や短期集中リハ加算では、要件(退院後〇日以内など)を満たしていない請求もありました。

  • 単位数の過剰算定
    同一患者に同日で複数部位や疾患区分を二重に算定する事例や、実施時間が20分未満にもかかわらず1単位として計上していた事例がありました。同日複数職種(PT・OT・ST)による算定合計時間が上限を超過しているケースも指摘されています。

  • 施設基準関連の不備
    専従PTの勤務時間が基準(例:週32時間以上)を満たさず兼務が多い事例や、施設基準の届出更新を怠ったまま旧基準で算定を継続している例が確認されました。リハ室の面積や設備が基準を満たさないまま加算を算定していたケースもありました。

処分と返還額

令和5年度には、指定取消・登録取消などの行政処分が21件行われました(医科11件、歯科9件、薬局1件)。返還命令額は、指導によるものが約13億5,390万円、監査によるものが約7,391万円です。
厚労省は、過去の指導や適時調査での指摘が後の監査や処分の端緒となることも多く、日頃からの自己点検と内部監査体制の整備が重要だとしています。

過去事例との比較

リハビリ関連の指摘は今回に限ったものではありません。地方厚生局レベルでは以前から同様の事例が報告されています。

例えば、東海北陸厚生局(令和3年度)が実施した個別指導では、リハビリ計画書の内容が患者の状態や医師の指示と一致していない、更新日や署名が欠落している、実施時間が20分未満にもかかわらず1単位として算定している、といった不備が指摘されました。さらに、脳血管疾患リハの経過日数超過算定や、運動器リハで医師の再診指示がないまま継続算定していた事例も確認されています。

また、近畿厚生局(令和2年度)が公表した個別指導でも、リハビリテーション計画書に関する具体的な不備が指摘されています。計画書の形式や内容が基準を満たしていない、患者の状態や治療方針との整合性が取れていないといった事例がありました。

今回の全国版資料に列挙された指摘内容は、こうした過去の地方厚生局の指摘と多くの点で共通しており、同種の課題が複数地域で継続していることがうかがえます。

リハ関連の指摘が頻出|厚労省が指導・監査結果を公表

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