キャリアコンサルタントが徹底サポート

医療人材不足に警鐘 「PT養成校も学生が集まらない」

1499 posts

「PT養成校も学生が集まらない」 相澤会長、国の責任での対応を要請

日本病院会の相澤孝夫会長は28日、オンラインで開かれた定例記者会見で、医療提供体制の見直しに向けた提言をまとめる方針を示した。会見では、看護師や理学療法士(PT)など医療人材の養成をめぐる危機的な状況に言及し、「国の責任として人材政策を立て直すべきだ」と訴えた。

PT養成校にも志願者減「教育現場だけでは限界」

相澤会長は、医療現場を支える人材の確保について「看護師を希望する人が集まらない。そして最近ではPTの学校も集まらない」と述べ、リハビリテーション職の養成にも深刻な影響が及んでいると明らかにした。

その上で、「将来この人材をどうしていくのかということは、国が責任を持って取り組む必要がある。看護師の養成にせよPTの養成にせよ、国の事業である以上、国が責任を果たさなければならない」と強調した。

会長はまた、地域の養成校が独自に努力しても、人口減や職業選択の多様化により志願者が減少している現状を踏まえ、「教育現場の自助努力だけに頼るのは限界だ」と指摘。医療需要の変化や病床数の見直しと連動した国家的な人材育成戦略の必要性を訴えた。

第120回社会保障審議会医療部会:資料1 医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する論点

医療供給は「オーバーな状況」 制度の歪みも指摘

25日に開催された第4回常任理事会では、地域医療構想のガイドラインや病床機能報告制度の見直しについて議論が行われた。
相澤会長は「今どう考えても医療の供給はオーバーな状況にある」との認識を示し、病床数の算定や医療圏の設定、さらには高額医療機器の整備状況まで含めて、制度全体を再検証する必要があると述べた。

「単に物価が上がっただけではなく、根本的にこの国の医療の構造を見直さなければならない」とし、供給過剰と需要減少が医療機関の経営難を招く悪循環に警鐘を鳴らした。

「2040年以降を見据えたグランドデザインを」

今後の提言について相澤会長は、「2040年以降の我が国の医療をどう設計するのか、そのグランドデザインを描く必要がある」と述べ、入院・外来・在宅・手術などを包括的に捉えた医療提供体制の再構築を進める考えを示した。

また、基準病床数と必要病床数の混乱、二次医療圏と構想区域の不一致など制度的な課題を整理したうえで、「数値目標にとらわれず、地域が自律的に医療を構築できる仕組みが必要」と強調した。

提言は今後2回ほどの議論を経てまとめ、政府や厚生労働省への提出を目指す。「多岐にわたる議論でまとめるのは大変だが、できれば年内に方向性を示したい」と述べた。

医療人材不足に警鐘 「PT養成校も学生が集まらない」

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事