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【追悼】「理学療法を愛しています」──奈良勲氏を偲ぶ

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日本理学療法士協会は1月16日、第六代会長を務めた奈良勲(なら・いさお)氏が2025年11月8日に逝去されたと発表した。

奈良氏は1965年に渡米し、Loma Linda Universityで理学療法士免許を取得。帰国後、「理学療法を科学にする」ことを掲げ、研究・教育・臨床の調和的発展を説き続けた。1989年から2003年まで協会会長を務め、生涯学習システムの構築、新人教育制度の開始、専門分科会の設立など、現在の協会運営の基盤となる事業を推進。広島大学では大学院博士課程の設置に尽力し、理学療法の学術的確立に心血を注いだ。世界理学療法連盟(World Physiotherapy)との国際交流にも力を入れ、日本の理学療法を世界に発信した。2018年、旭日小綬章を受章。

斉藤秀之現会長は追悼文で「奈良先生が生涯をかけて示された理学療法の在り方を、次の世代へ確実に継承していくことこそが、残された私たちの責務」と述べている。

POSTインタビューで語った言葉

本誌は2018年、広島大学名誉教授として後進の育成に携わっていた奈良氏に全6回のインタビューを行った。その中で語られた言葉を振り返る。

「理学療法を愛しています」

1989年の会長選挙。スピーチの最後にアドリブでこう語り、涙がこみ上げたという。

「理学療法は確実に人を健康にし、幸せを導くものであると信じているんだ。"理学療法を愛している"とは、それを必要とする対象者への情意、思いやりを意味してる」

「科学とアートの融合」

晩年、「科学としての理学療法」が狭く解釈されることを懸念し、こう語っていた。

「チェーン店ではどこで食べても同じ味だよね。だけど、手料理は1人ひとりの好みを考えて提供する。それがアート性だ。科学とアートのバランスある融合が鍵になる」

「患者さんは教師である」

「それぞれの患者さんから学んだことを発表できる場を作りたい」。臨床で生まれる心の葛藤、臨床哲学を若い理学療法士が共有できる機会の創設を願っていた。


奈良勲先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

【奈良勲先生インタビュー】

第一回:理学療法50年史

第二回:アポロ11号が月面着陸したそのとき、日本へ着陸

第三回:“未発達”への挑戦

第四回:“小象”の理学療法

第五回:患者さんは教師である

最終回:僕は理学療法を愛しています

番外編:科学とアートの融合

【追悼】「理学療法を愛しています」──奈良勲氏を偲ぶ

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