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FIM実績指数は「トイレ・歩行」の自立を重視──日慢協・橋本会長が語る「生活を見るリハ」への転換

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日本慢性期医療協会(日慢協)は2月12日、定例記者会見を開催し、2026年度診療報酬改定に向けた見解とリハビリテーション関連の主要な見直し方針を解説しました。橋本康子会長は、急性期からの早期離床に加え、回復期における「排泄・移動の自立」をFIM実績指数で高く評価する仕組みや、言語聴覚士(ST)の配置要件緩和など、臨床業務に直結する変更点を明らかにしました。

回復期:FIM「トイレ・歩行」の改善で加算評価、排泄自立が鍵に

回復期リハビリテーション病棟における最大のトピックは、在宅復帰率向上に向けたアウトカム評価の厳格化と、「排泄動作」への集中介入の推奨です。

橋本会長の解説および配布資料によると、新設が見込まれる「回復期リハビリテーション強化体制加算」などの算定要件において、FIM(機能的自立度評価法)の実績指数の算出方法が見直されます。具体的には、以下の項目について「改善」が認められた場合、実績指数の算出において加点評価される仕組みです。

  • 対象項目:「⑥トイレ動作」および「⑫歩行・車椅子」 。

  • 評価基準:入院時に5点以下(要介助)だった患者が、退院時に6点以上(自立・修正自立)へ改善した場合、実績指数の計算上「+1点」として反映。

また、これに関連して「排尿自立支援加算」の届出も要件化される方向です 。橋本会長は会見で「トイレに行けて食事ができれば、家には帰れる。排泄ができれば他のADL項目も必然的に上がる」と述べ、PT・OTに対し、漫然とした機能訓練ではなく、トイレ動作と移動手段の獲得に直結するプログラム立案を強く求めました。

急性期リハビリテーションにおいては、「早期リハビリテーション加算」の評価体系が変更されます。橋本会長は会見で「最初の4日間は加算がつき、そこから減算されていく」と説明しており、発症あるいは手術直後の超早期介入を高く評価する一方で、日数が経過すると減算となるメリハリの効いた配点への転換が示されました 。また、「休日リハビリテーション加算」の新設により、365日体制での早期離床がさらに加速することになります。

言語聴覚士(ST)にとっては、働き方の選択肢が広がる改定となります。「摂食嚥下機能回復体制加算」の施設基準において、これまでSTに求められていた「専従」要件が「専任」へと緩和されます 。 橋本会長は「これまでは専従規定により、病棟業務との兼務が難しかった。専任となることで、病棟STとしての訓練業務を行いながら、チームアプローチに参画できるようになる」と、柔軟な人員配置が可能になるメリットを強調しました。

「院外リハ」の時間枠撤廃――公共交通機関の練習が算定しやすく

退院支援の質の向上を目的に、「医療機関外でのリハビリテーション」に関する制限も緩和されます。 現行制度では、疾患別リハビリテーション料は原則院内実施であり、院外での実施には時間的制約がありました。今回の改定資料によると、3単位(60分)を超える場合でも、1入院につき「3単位または6単位」まで院外での実施が可能となります。

これにより、バスや電車を利用した通勤練習や、スーパーでの買い物訓練など、1時間を超える実地訓練が算定しやすくなります。橋本会長は「生活を見るリハビリテーションへの転換点」とし、担当療法士が病棟の外へ出て、実際の生活課題を解決するプログラムを組む仕組みが整備されたと評価しました。

まとめ・今後の展望

今回の会見では、リハビリテーション専門職に対し「機能回復」から「生活支援」への明確なシフトが求められていることが浮き彫りとなりました。特に回復期におけるFIM「トイレ・歩行」の重み付け変更は、日々の単位数管理や目標設定に直結するため、近日中に公表される具体的な点数配分(答申)が注目されます。

FIM実績指数は「トイレ・歩行」の自立を重視──日慢協・橋本会長が語る「生活を見るリハ」への転換

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