厚生労働省の医道審議会理学療法士作業療法士分科会倫理部会は3月4日、理学療法士2名に対する行政処分の答申を行いました。処分理由はいずれも性犯罪で、不同意わいせつによる名称使用停止3年と、性的姿態等撮影未遂による同3月です。同部会は2010年の初回開催以降、性犯罪に対し一貫して重い処分を科しており、今回もその方針が維持された形です。
3名を諮問、2名に処分答申
同日の倫理部会はオンライン形式で開催され、池田望、岡島康友、上岡裕美子、斉藤秀之、星周一郎、山本伸一の各委員が出席しました。
理学療法士3名に対する行政処分の諮問がなされ、審議の結果、2名への処分が答申されました。残る1名は処分に至っていません。
答申された処分の内訳は以下のとおりです。
- 名称使用停止3年……1件(不同意わいせつ)
- 名称使用停止3月……1件(性的姿態等撮影未遂)
「名称使用停止」とは、理学療法士の名称を用いた業務が一定期間禁止される処分を指します。処分期間中は理学療法士として働くことができません。
過去の倫理部会における処分との比較
同倫理部会は2010年3月の初回開催以来、これまでに13回以上開催されてきました。厚生労働省の公表資料や各種報道をもとに過去の処分を確認すると、性犯罪に対しては一貫して重い処分が科されてきた経緯があります。
確認できた範囲で、理学療法士・作業療法士の免許取消は計6件。うち4件が性犯罪を理由とするものです。被害者への直接的な身体的加害を伴う性犯罪では、いずれも免許取消が選択されています。
一方、免許取消には至らなかったものの長期の名称使用停止となった性犯罪事例もあります。2013年には、公然わいせつと強制わいせつが競合した事案で名称使用停止3年6月という過去最長の処分が出ました。
今回の不同意わいせつに対する名称使用停止3年は、免許取消には至らなかったものの、名称使用停止としては過去の事例に照らして重い部類に位置します。なお、「不同意わいせつ」は2023年の刑法改正で「強制わいせつ」から名称変更された罪名であり、従来の強制わいせつと法定刑は同等です。
過去の性犯罪関連の主な処分事例は以下のとおりです。
- 2010年:免許取消(強制わいせつ)
- 2011年:免許取消(強姦未遂・強盗)
- 2013年:免許取消(強姦致傷)
- 2013年:名称使用停止3年6月(公然わいせつ・強制わいせつ)
- 2021年:免許取消(準強制わいせつ)
- 2026年:名称使用停止3年(不同意わいせつ)←今回
性犯罪・性暴力に関する相談窓口
被害に遭われた方、過去の被害でお悩みの方は、以下の窓口に相談できます。
- 性犯罪被害相談電話(警察):#8103(ハートさん)
- 性暴力に関するSNS相談「Cure time(キュアタイム)」:https://curetime.jp/






