インソール作るのに靴まで見てる?「足部×靴」から始めるインソール作製の全工程

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理学療法士や作業療法士の皆さん、臨床でインソールを作製する際、いきなりインソールの形状を考え始めていませんか?
どれだけ考えて、時間をかけてインソールを作っても、土台となる「靴」と「足部」が適合していなければ、その効果は半減、あるいはゼロになります。
本記事では、インソール作製を「足部・靴・インソール」の3つとして捉え、評価から作製までの全工程を特別に公開します。

なぜ「足だけ」を見てはいけないのか

セラピストが陥りがちな罠は、解剖学的・運動学的な足部評価や歩行だけに着目し、土台にある「靴の機能」を無視してしまうことです。

インソール作製の真のスタートは、どこにパットを付加するかではなく、足部の足長(サイズ)、足幅(ウィズ)、足囲(ガース)を正確に測り、靴との適合を評価することにあります。

「インソールを靴に入れても思ったような効果が出なかった」

「靴なんて考えたことなかった」

そんな経験がある方は、ぜひこのフローを臨床に取り入れてみてください。

ステップ1:足部のサイズ計測(足長、足囲、足幅)

すべての評価の基準となるのが、足部における正確なサイズ計測です。

1-1. 足のサイズと荷重 非荷重の差

まずは足長(サイズ)、足幅(ウィズ)、足囲(ガース)を計測します。

ここで重要なのは「荷重」と「非荷重」の両方を測ることです。

荷重時に著しく足幅が広がる、もしくはあまり広がらない場合はアーチの支持機能低下を疑う重要な指標となります。

1-2. JIS規格との照らし合わせ

計測値は必ずJIS規格のサイズ表と照らし合わせます。多くのクライアントは、自分の実寸よりも大きなサイズの靴を選んでいる現実(オーバーサイズ問題)に直面するはずです。

ステップ2:フットプリントの採型

視覚的な情報として、フットプリントは欠かせません。

2-1. 荷重バランスの可視化

静止立位でのプリントからは、接地面積、アーチの高さ、外反母趾の程度、タコ(胼胝)の位置が明確になります。これはクライアントへの説明用ツールとしても非常に強力です。

2-2. 圧の局在とアライメント推論

荷重の偏りや圧のかかり方など、プリントから得られた情報の「答え合わせ」を、後の歩行分析で行うため仮説を立てます。

ステップ3:靴フィッティング

ここが本記事の最重要ポイントです。

3-1. 捨て寸の確認

インソールを入れる前に、今履いている靴のインソールを抜き出し、その上に足を乗せてもらいます。つま先に1.0cm〜1.5cm程度の「捨て寸」があるかを確認します。

通常ウォーキングシューズやスニーカーの中敷は実際の表記のサイズよりも1.0cm〜1.5cm程度大きいことが一般的です。これについては今後の記事でさらに詳しく解説します。

そして捨て寸がありすぎると紐をしっかり縛っても前に動く可能性が高まり、結果パットを付加した位置と足部がズレてしまう可能性があります。インソールで効果が出ない原因の一つです。

オーバーサイズすぎる靴や靴の機能を満たしていない靴では、靴の選定から始めます。

3-2. カウンター(踵部)とシャンクの剛性

靴の踵部分(ヒールカウンター)が潰れていないか、踏まず部分(シャンク)が簡単にねじれないかをチェックします。グラグラな靴にインソールを入れるのは、泥沼の上に家を建てるようなものです。

この時靴の形状や特徴もよく見ることが重要です。ここに関しても今後の記事やセミナーで深く解説します。

3-3. 正しい履き方の指導

どんなに良い靴も、履き方が間違っていれば機能しません。踵を合わせ、紐やベルトで中足部をしっかり固定する。この「フィッティング」だけで、歩行や姿勢アライメントが改善するケースも少なくありません。今後の記事やセミナーで深く解説します。

ステップ4:バランスチェック(片脚立位、足踏み、歩行)

靴を正しく履いた状態で、ベースラインの評価を行います。この時動画を撮っておくと前後での評価を確認しやすいので必ず撮っておきましょう。

4-1.静的・動的バランスの評価

  • 片脚立位: 頭部や脊柱の傾きや代償動作、最初に上げる脚がどちらかなど。
  • 足踏み: 骨盤の回旋や膝の向き、最初に上げる脚がどちらかなど。
  • 歩行分析: 踵接地から立脚中期への移行、母趾の蹴り出し、1歩目に出す脚など

ここで「靴を正しく履いただけで変わった部分」と「それでも残る異常運動」を切り分けます。後者こそが、インソールでアプローチすべき課題です。特に1歩目や最初に上げる足は過去の怪我や現在痛みなどがある側であることが多いです。

これを問診やフットプリント、荷重・非荷重の差などの情報と一緒に統合して考えます。

ステップ5:インソール作成

ここまできていよいよインソールの作製です。

5-1. 評価から付加するの場所と削るの場所を決める

基本はアーチ全体のバランスを整え、足部の内在筋が働きやすい状態を作っていきます。この時に靴の形状も加味してパットの付加や削る部分を決定します。

5-2. 削りとフィッティング

グラインダーを用いて素材を削り、ミリ単位で調整します。作成中も頻繁に靴に入れ、歩行やフィッティングを確認します。

ステップ6:再度バランスチェック(効果判定)

作製後、即時効果を確認します。歩行の動画の撮影も忘れずに。

6-1. 削りとフィッティング

クライアントや患者様に「歩きやすさ」「安定感」を確認すると同時に、ステップ4で行ったバランス評価、歩行を再実施します。

  • 代償動作や上げる脚に変化はあるか?
  • 蹴り出し時に母趾が使えているか?
  • 歩行スピードやストライドに変化はあったか?

もし結果が思わしくない場合は、再度「靴との適合」に立ち返ります。インソールの高さだけでなく、靴の中で足が滑っていないか、紐の締め具合は適切かを再確認します。

まとめ:足部と靴から考えることが大切

インソール作製は、単なる工作ではありません。

  1. 1.足部を測り
  2. 2.靴を正しく選び・正しく履き
  3. 3.足りない部分をインソールで補う

この順序を遵守することで、私たちの提供するリハビリテーションの質は飛躍的に向上します。

「靴まで見て初めて、インソールは完成する」

明日からの臨床で、まずはクライアントや患者様の靴から考えることから始めてみてください!

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私たちリハラボBayWalkinhgは横浜市青葉区・都筑区を拠点に、訪問看護ステーション、リハビリ特化型デイサービスを運営しています。また自費サービスとして理学療法士による専門的な靴フィッティングとインソール作製、徒手療法を用いた整体を提供しています。

デイサービスや訪問以外にもスポーツ現場、小学校での教育活動まで幅広く理学療法士が活躍しています!

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