リハビリテーションを考える議員連盟が、理学療法士及び作業療法士法(PTOT法)の抜本的な見直しなど7項目の決議文を、6月11〜12日に厚生労働・法務の両大臣と自由民主党政務調査会長へ申し入れました。養成教育の4年制大学化や、報酬改定に左右されない恒久財源での処遇改善など、PT・OT・STの養成課程と働き方の根幹に関わる要望が並びます。
議連第13回総会の決議を受け、3者へ手交
日本理学療法士協会の発表によると、リハビリテーションを考える議員連盟(以下、リハ議連、会長=鈴木俊一衆議院議員)は、2026年4月22日に憲政記念館で開いた第13回総会の決議を踏まえ、次の3者へ決議文を手渡したとしています。
- 上野賢一郎 厚生労働大臣(6月11日)
- 平口洋 法務大臣(6月12日)
- 小林鷹之 自由民主党政務調査会長(6月12日)
申し入れには、鈴木会長のほか、田野瀬太道幹事長、小川克巳事務局長、田中昌史事務局長代理らが参加しました。日本理学療法士協会からは斉藤秀之会長、佐々木嘉光副会長らが同行し、PT・OT・STに関する要望を説明。各大臣・政調会長からは、要望に対して応援の言葉が寄せられたとしています。
リハ議連は、4月の第13回総会時点で衆参あわせて247人が名を連ねる、国内最大級の議員連盟の一つです。
決議文に盛り込まれた7つの要望
申し入れられた要望事項は、次の7項目です。
- 1. PTOT法の、次代を見据えた抜本的見直しを、当事者団体との協議を踏まえて早急に実施すること
- 2. リハビリテーション専門職の養成教育を、単能工的な専門学校教育から、4年制大学における養成課程とすること
- 3. 国家戦略としてのリハビリテーションを展開するため、それを統括する部署を厚生労働省内に早急に設置すること
- 4. 報酬改定に紐付かない恒久的財源による処遇改善を早急に図ること
- 5. 医療・福祉・予防・保健・海外展開にいたる一気通貫のリハビリテーション施策の推進と、これに必要な新たな財政措置を図ること
- 6. 訪問リハビリテーションサービス提供専門機関の新設の検討を始めること
- 7. 外国人在留資格「医療」の項に「言語聴覚士」を追記すること
要望1で見直しを求めるPTOT法は、1965年(昭和40年)に制定された法律です。言語聴覚士は1997年制定の言語聴覚士法に基づく別の資格で、要望はPT・OT・STの3職種を横断する形でまとめられています。要望2の「単能工的な専門学校教育からの転換」は、養成校の大学化という育成制度そのものの議論につながります。
要望7が法務大臣への手交につながるのは、在留資格が法務省の所管だからです。外国人医療従事者の在留資格「医療」には現在、医師や看護師などが列挙されていますが、言語聴覚士の追記を求める内容となっています。
リハ職にとっての意味と今後
今回の申し入れは、診療報酬・介護報酬の改定を待つのではなく、法改正や恒久財源による予算措置を政府・与党に直接求める動きです。とりわけ要望3が掲げる「統括部署の設置」については、厚生労働省が4月の総会後の5月19日、省内に「リハビリテーション統括調整室」を設置しました。医療・介護・障害福祉と分野ごとに分かれていたリハビリテーション施策を横断的に調整する総合窓口で、議連の要望と重なる体制づくりが先行して動き出した形です。今後は、同室が具体的な政策立案や制度の見直しにどうつなげるかが焦点となります。
決議が実際の法改正や予算編成にどう反映されるかは、今後の制度設計に委ねられます。PT・OT・STの養成、処遇、活躍の場の広がりに直結するテーマだけに、続報を追っていく必要があります。
参考:公益社団法人日本理学療法士協会「法改正を!上野賢一郎厚労大臣、平口洋法務大臣、小林鷹之自民党政調会長へ手交 ― リハ議員連盟総会決議文申し入れ」(2026年6月16日)/ 同協会「『リハビリテーションを考える議員連盟』第13回総会が開催されました」(2026年4月23日)/ 厚生労働省「上野大臣会見概要」(2026年5月19日、リハビリテーション統括調整室の設置)






