日慢協が「攻めのリハビリ」提言 転倒リスク健診の担い手にPT・OTを

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日本慢性期医療協会(橋本康子会長)が定例記者会見で、骨折・転倒を防ぐ「攻めのリハビリ」を提唱。要介護になる前の予防領域で理学療法士・作業療法士を「転倒リスク健診」の担い手に位置づける4提言を示しました。厚労省のリハビリテーション統括調整室の動きとも重なり、PT・OT法見直しも視野に入ります。

日本慢性期医療協会(橋本康子会長)は7月23日の定例記者会見で、骨折・転倒を防ぐ「攻めのリハビリ」を提唱しました。要介護になる前の予防領域で理学療法士(PT)・作業療法士(OT)を活用し、「転倒リスク健診」の担い手として位置づけることが柱です。厚生労働省が新設した「リハビリテーション統括調整室」の動きと重なり、PT・OT法の見直しも視野に入る内容で、リハビリ専門職の職域が予防へ広がる可能性を示しました。

予防領域へ、リハビリ専門職の活躍を

橋本会長はまず、この演題を選んだ背景に、骨太の方針や地域医療構想の取りまとめなど、国の文書で予防的リハビリ・予防医療への言及が増えている点を挙げました。平均寿命は延びる一方、健康寿命の伸びは近年停滞しています(2022年の平均寿命と健康寿命の差は男性で約8.5年、女性で約11.6年)。ことの差を縮め、寝たきりを減らすうえで、伸び悩みの一因である骨折・転倒への介入が鍵になるという見立てです。

橋本会長が強調したのは、予防領域でのPT・OTの役割です。厚労省が2026年5月に設けた「リハビリテーション統括調整室」には、室長(大臣官房審議官)のほか医政局医事課長、老健局老人保健課長、保険局医療課長などが名を連ねます。リハビリ専門職の活躍の場を医療・介護にとどめず、予防・健康増進の分野へ広げてはどうか、という問題意識が背景にあると説明しました。

ここで論点になるのがPT・OT法です。同法第二条は、理学療法を「身体に障害のある者」、作業療法を「身体又は精神に障害のある者」に対して行うものと定義しています。橋本会長は、法定の対象が障害のある者を軸としている点を挙げ、予防段階の人への関与を広げるには制度的な見直しも考えられるのではないかとの見方を示しました。統括調整室の設置時にも、PT・OT法施行から約60年が経過したことを踏まえた制度見直しの検討が示されており、今回の提言はその流れに沿うものです。なお、介護予防事業などでPTが健康な高齢者へ転倒防止指導を行うことは、現行制度下でも認められています。

データが示す骨折・転倒の重み

会見では、骨折・転倒が要介護化・重度化に与える影響がデータで示されました。要介護になる主な原因では、認知症・脳血管疾患に次いで骨折・転倒が第3位(全体で13.9%)を占めます。とくに女性で多く、単独の主因として17.8%、複数回答(骨折・転倒を選んだ女性全体の割合)では27%にのぼります(厚労省「2022〈令和4〉年国民生活基礎調査(介護票)」に基づく会見資料)。

日慢協記者会見資料 スライド4

日本慢性期医療協会 定例記者会見資料(令和8年7月23日)より

女性で骨折・転倒が多い背景として、橋本会長は骨粗鬆症を挙げました。女性の骨粗鬆症有病率は70歳代で約3人に1人、80歳代で約2人に1人とされ(骨粗鬆症財団による)、転倒時に骨折につながりやすい状況にあります。橋本会長は、男性は骨粗鬆症が少なく、同じように転倒しても骨折に至りにくい人が多いと説明しました。

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