「社会福祉法等の一部を改正する法律」が6月19日、参議院本会議で可決・成立しました。介護保険法の改正が盛り込まれ、介護支援専門員(ケアマネジャー)の5年ごとの資格更新制が廃止されます。研修自体がなくなるわけではなく、一定の研修受講は法令上の義務として位置付け直されます。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士でケアマネ資格を併せ持つ人にも関わる改正です。
成立した改正の概要
柱の一つが、ケアマネジャーの資格更新制の廃止です。現行は介護支援専門員証に5年の有効期間があり、更新を受けなければ専門員証の効力を失い、ケアマネジャーとして業務に従事できなくなります。この有効期間と更新の仕組みがなくなります。
施行は原則として令和9年(2027年)4月1日です。ただしケアマネジャーの研修見直しに関する規定は、公布後1年6月以内に政令で定める日とされています。法律は令和8年6月25日に公布されており、正式な施行日は今後の政令で確定します。
「更新制廃止」と「研修義務」の関係
廃止されるのは更新制であり、研修受講そのものは残ります。一定の研修受講が、改めてケアマネジャーの法令上の義務として位置付けられます。雇用する事業者にも、ケアマネジャーが研修を受けられる機会を確保する措置を取る義務が課されます。
厚生労働省は受講者の負担軽減策として、研修のオンデマンド化、分割受講、時間数の圧縮を進める方針です。現行の再研修は廃止し、簡素な復職研修の仕組みを新設します。研修を受けない場合は、都道府県知事が受講を命じることができ、命令に従わないときは1年以内の業務禁止もあり得ます。研修内容や対象者などの詳細は、今後の厚生労働省令で定められます。
リハ職でケアマネ資格を持つ人への影響
ケアマネジャーは、保健・医療・福祉の有資格者等が一定の実務経験を経て取得します。リハビリ専門職もその対象に含まれます。
厚労省の集計では、第27回介護支援専門員実務研修受講試験(令和6年10月実施)の合格者17,228人のうち、理学療法士が730人(4.2%)、作業療法士が347人(2.0%)、言語聴覚士が50人(0.3%)でした。リハ3職種を単純に合算すると1,127人で、合格者数に対する割合は6.5%相当です。ただし厚労省の職種別集計は複数資格の保有者を含む延べ人数のため、職種別の合計は合格者数とは一致しません。

訪問リハビリの管理者や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などで、ケアマネ資格を併せ持つリハ職が働いています。今回の改正で、5年ごとの更新に伴う研修負担は軽くなる見通しです。継続的な研修受講の義務は残るため、資格維持の手間がゼロになるわけではありません。
まとめ・今後の展望
今回の法改正では、ケアマネジャーの更新制廃止に加え、人口減少地域でのサービス運営基準の弾力化(特定地域サービスの新設)や、中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームへの登録制導入なども盛り込まれました。
研修制度の詳細や正式な施行日は、今後の政省令で順次定められます。POSTでは続報を追います。
参考資料:社会福祉法等の一部を改正する法律案(参議院 議案情報)
参考資料:社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要(厚生労働省)
参考資料:第221回国会(令和8年特別会)提出法律案(厚生労働省)
参考資料:ケアマネ資格の更新制の廃止が正式決定 改正介護保険法が成立(介護ニュースJoint、2026年6月19日)
参考資料:ケアマネ更新制廃止 研修受講措置を事業者に義務付けへ 改正介護保険法などが成立(CBnews、2026年6月22日)






