ヤンダアプローチ、DNSアプローチを日本へ伝える-小倉秀子先生-

サンフランシスコで働く小倉先生。なぜ、渡米したのか。小倉秀子先生のこれまでの歩みに迫る。

 

患者中心の医療を学びにアメリカへ

 

―――なぜ理学療法士になろうと思ったのですか?

 

小倉先生:私の母は「女性に学問はいらない」という時代に生まれ育ち、「栄養士になって自立をしたい」という夢を断念せざるを得ませんでした。母は私が子供の頃から、女性の自立の重要性を強調しました。

 

そのため、私は子供の頃からすでに経済的に自立出来る仕事を探し、中学生の頃、理学療法士(以下PT)の存在を知りました。私はいわゆる体育会系の単純な性格なので、理学療法士を知ったとき、自分の性格に合うのはこの体育会系の仕事だと思い、PTを目指しました。

 

―――養成校をご卒業後、横浜の大学病院に勤められ、渡米していますよね?どうしてアメリカだったのですか。

 

小倉先生:父は私がPTの学生だった頃、末期ガンの診断を受けました。当時、患者に対して末期ガンの告知をしない時代だったのです。周りの家族は父が余命まもないと知りながら、父は本当の病名や余命を知らずに亡なくなりました。

 

父の闘病生活1年間は、父に嘘をつきながらの本当に辛く苦しい一年でした。この経験で、日本の医療の在り方に大きな疑問を覚えました。自分の人生を最後まで責任をもち、自立するという意味で、アメリカに行ってみたい気持ちを強く持ちました。

 

―――いきなりアメリカというのも思い切った選択だったと思いますが、準備などはされたんですか?

 

小倉先生:アメリカに行こうと決意した時点では、ほとんど英語が話せない状態でした。将来のためを思い、貯金はしていたので、おそらく400万円ほどあったでしょうか。最初は、3ヶ月の語学留学を目的に行きました。

 

 尊敬する同僚の紹介で、カリフォルニア州のバークレーを選んだのですが、バークレーは本当に自由でのびのびとしており、素晴らしい出会いがありました。

 

障害者の方々が自立して暮す姿を街で見かけ、色々な国から苦境に負けず頑張っている人々との出会いに感動しました。バークレーでの生活と人々との出会いが、ここで暮らしてみたいという気持ちを強くしました。

 

アメリカのための資金と語学力

 

―――その当時の資金稼ぎはバイトですか??

 

小倉先生:そうです。大学へ編入してからの夏休みには日本で複数のPTのバイトを掛け持ちしながら、学資、生活費を貯めました。2年ほどそのような生活で、大学へ編入し、学士号を取りました。

 

 

―――現在の旦那さんは日本人ですか?

 

 

小倉先生:いいえ、私の夫は、21歳の時にチェコからアメリカへ亡命し、現在アメリカ国籍です。私は夫とサンフランシスコで出会い、カリフォルニアの形式で結婚しましたので、夫婦別姓を選びました。

 

日本は2重国籍を法律で認めていませんので、私は日本国籍を選びました。ということで、ご質問のお答えを言えば、夫はアメリカ人で、私は日本人です。

 

―――ご主人の影響でヤンダアプローチ、DNSアプローチに出会ったのですか?

 

小倉先生:いいえ。これは石川県で理学療法の発展に貢献されている荒木茂先生の影響です。

 

ー続く。

 

【目次】

第一回:アメリカに行ったワケ

第二回:ヤンダアプローチ、DNSアプローチとの出会い

最終回:日本とアメリカの違い

 

小倉秀子先生の経歴

東京都新宿区出身。東京都府中リハビリテーション学院卒業し、1988年に日本理学療法士免許取得。1988年より1994年まで横浜市立大学付属病院に勤務。1995年渡米。1996年、サンフランシスコ州立大学にて、運動学を専攻し、1998年学士号。卒業後、米国カリフォルニア州理学療法士免許に合格し、外国人理学療法士に義務付けられている臨床インターンをスタンフォード大学メディカルセンターとスタンフォード大学/UCサンフランシスコ大学理学療法外来クリニックにて修了したのち、Ola Grimsby Instituteにて、Doctor of Physical Therapy Programを受講し、2005年にDPT。2005年よりカイザーパーマネンテ・サウスサンフランシスコメディカルセンターに勤務。

現在日本では理学療法士・作業療法士をはじめとした臨床セラピストのための専門的臨床講習会を非営利の勉強会・Manual Therapy Internatinoal Tokyoで主催している。2006年より米国よりクレア・フランク氏を講師として招き、ヤンダアプローチ講習会を日本各地で開催。2009年にチェコプラハスクール公式認定であるDNS (Dynamic Neuromuscular Stabilization, 動的神経筋安定化)アプローチ講習会を日本で初めて開催し、それ以降医療従事者向けのDNS A, B, Cコースを主催。2016年からはクレア・フランク氏が率いるMovement Linksの認定講習会であるムーブメントサイエンス講習会を日本各地で開催していくことを計画中。

※ヤンダアプローチに興味がある方は、こちらをご覧ください。

 

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