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理学療法士・作業療法士が学会や勉強会(セミナー)で学ぶために必要なこと

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理学療法士や作業療法士は、休みの日を利用してリハビリ関係の勉強会(セミナー)や学会に参加されることも多いと思います。勉強会に参加する前に知っておきたい"勉強の仕方"について、いち理学療法士として、私見をのべさせていただきます。

学会は勉強にならないのか?

 学会といっても、大きく分けて学術大会学術研修大会に分けられます。学術大会は、主に理学療法士協会・作業療法士協会会員の皆さんが日頃の研究を発表することが多く、学術研修大会は協会が呼んだその道のプロフェッショナルの先生が、ご登壇され、拝聴することが多いものです。

 

 

勉強というと、学術研修大会の方が、理学・作業療法士の道の先輩である"プロフェッショナル"のご講演を拝聴できることがあり、臨床には活かしやすい印象です。

 

 

だからと言って、学術大会が勉強にならないということでもありません。

 

 

なぜなら、発表者と参加者の距離が近いことが、魅力の一つでしょう。同世代の研究も多く、同じ悩みを抱え、それを研究発表しているケースが多いからです。

 

 

つまり、双方ともに、参加者の学ぶ姿勢がどちらにも必要ということでしょう。

 

 

全国学術大会は2017年5月が最後の全国学会となり、次回からは、分科会による学術大会となり、より専門性の高い会になることが予想されます。

 

勉強会(セミナー)だと技術がすぐに身につくのか

理学・作業療法士は、日々の勉強が重要であり、それが直接、患者さんや利用者さん還元されます。学びを止めれば、そのまま、臨床の結果に現れることでしょう。

 

ただし、その学び方には色々とあります。院内での研修、書籍・動画での勉強、日々の臨床の中での学び、外部研修など様々です。

 

 

どれが一番いいということもなく、それぞれ個々人にあった勉強方法があるはずです。外部研修においては、毎週末ないし平日の夜に、各都道府県で開催されない日はないほど、多くの勉強会(セミナー)が行われています。

 

 

 全てに参加しようと思えば、休みの日を全て返上してでも、参加できる数もあります。

 

もちろんこれにも落とし穴があり、他者から伝授されたものは、意外とすぐ忘れやすいというものです。これは、心理学者ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線で説明できます。

 

 

簡単に説明すると人は、20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後77%、1ケ月後79%、記憶したものを忘れてしまうというものです。

 

 

つまり、一日勉強会で勉強して得たものも、次の日になれば3割ほどしか覚えていないということになります。ではどうすれば、その記憶を長い間とどめておくことができるのでしょうか?

 

 

これも、先ほどと一緒で、自分次第ということになります。どちらで学んだとしても、自己学習が必要になります。

 

 

人の学習理論の中でも、成人前の学習は、人に教えられ学習し、成人以降は、自身の気づきや体験からのみ学習されると言われています。どんなに、良い指導者でも悪い指導者でも学ぶ側に問題があれば、結果は同じということです。

 

 

これを理解することが、自身が成長するために必須な項目だと思います。

 

日本の教育システムによる弊害

 少し話を、理学・作業療法士業界から目線を上げて考えてみましょう。そもそも、なぜ私たちは、人から教わる学び方に慣れてしまったのでしょうか?

 

 

それは元をたどると、日本の教育システム、いわば社会のシステムそのものである、という一つの仮説があります。

 

 

 例えばハーバード大学の授業を、YouTubeなどの動画で見ることができます。その授業のほとんどは、ディスカッション形式であり、トップダウンでの授業ではないことがわかります。

 

 

学校によっては、生徒の席を円にし、講師が中心にいるという配置を取る場合もあります。当然、理学療法の教育現場もほとんどがディスカッションになり、指定の教科書は数少ないと聞きます。

 

 

一方、日本の授業は、じっと先生の話を聞き、板書をノートに写し、たまに答える。といったものが多いでしょう。この教育システムは、皆が整列した平等なシステムだと考える人もいます。

 

 

つまり、みんな一緒で、上の指示に従いながら行動するというシステムを作ることで、団体統率を行いやすくします。

 

 

となれば、自分で考えて行動するものは、外れ者となり、問題児となります。当然、“考えない”または“考えても無駄”という感情が芽生えることにつながるでしょう。

 

 

これは、一意見にすぎませんが、日本の教育システムが、このような事態を引き起こしている、ひとつの引き金である可能性は、否定できません。

 

学びにゴールはない

 人生は、ゴールの見えないマラソンに例えられることがあります。

 

 

実際に、ゴールのないマラソンを走ろうものなら、不安でいっぱいになり、挫折するものも多いことでしょう。だからこそ、中継ポイントが必要であり、それなくしてはゴールにたどり着けません。

 

ポイントがなければ、道を間違うこともあるでしょう。

 

 

この考え方を、学びに活かせば、我々はどこまで勉強すればいいのか、と不安になり、挫折します

 

 

そのため、目安が必要になります。それは学校の中で行われる、定期テストがいい例でしょう。受験勉強もそれに当たると思います。

 

 

これが、臨床だったらどうでしょう?どんな技術、知識を獲得できたらゴールになりますか?薄々気づいているとは思いますが、残念ながらゴールはありません。一つのゴールは、エビデンスかもしれません。

 

 

勉強が続かない、全く勉強しないという問題は、ここにあると考えています。

 

 

まず、認識すべきは、「ゴールなど存在しない」ということを認識しながら、日々勉強することでしょう。この他、自分の中での到達目標を作ると良いかと思います。

 

 

専門・認定を取得する、科長になるなどです。ただ、これらの目標は、今の自分から遠いものである場合、これも挫折の原因になります。ゴールは、作ったものの、どのくらい先にそれがあるのか分からなければ、ゴールがないのと一緒です。

 

 

そこで、その目的を達成するために、小さなゴール・中継地点を設定しましょう。

 

 

リハビリテーションにおける目標設定でも、LTGの間にSTGを作りますよね?それを、患者さん、利用者さんのために設定する、理学療法士であれば、自分の目標を設定することも可能なはずです。

 

 

自分の問題点が分からなければ、人から意見を聞けばいいのですから…

 

まとめ

 

以上、一部いち理学療法士としての私見も含まれますが、学ぶ上での方法やそれを続けるためのシステムを書いてみました。否定的な、意見もあるかとは思いますが、これもひとつの見解であるということを、心のどこか片隅に置いてもらえれば幸いです。

 

常に学び、知識ではなく、知恵を蓄える。

 

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