先進国で就労するきっかけ
私はもともと海外に興味があったわけでもなく、みなさんと同様に普通の学生として専門学校を卒業し、2006年に神奈川県の病院に就職しました。
当時は毎日の臨床に一喜一憂しながら充実した日々を過ごしていました。
そんな日々を過ごしていた就職一年目の夏休み、友人と人生で初めてとなる海外旅行でカンボジアに一週間ほど滞在しました。
そのホテル先でたまたま一緒になったシンガポール人の男性二人組とバーで拙い英語(といっても知っている単語を並べるだけ)を使いながら会話する機会があり、初めて学校で習った‘英語’という机上だけの勉強が具体的な形として人生の‘経験’となり、英語を使うことの楽しさを初めて実体験しました。
それ以来、英語を話せれば、どれだけ多くの人と繋がることが出来るのだろうと思ったことが、海外へ興味を持った初めてのきっかけでした。
しかし、その時点では自分が将来オーストラリアで理学療法士(以下PT)の資格を取得して働くとは夢にも思っていませんでした。
そんな中、私の養成校の友人PTたちの動向であったり、彼らの頑張りなどを聞いていくうちに、自分の中に‘焦り’というものが出てきました。
当時の私はというと、大学病院で働いていたこともあり、研究や臨床を行う傍、職場の先輩から放送大学の学士取得を勧められていました。
しかし、放送大学に行くことが本当に自分のやりたいことなのか、どうせやるなら‘人と違うことがやりたい’と思った時に、カンボジアでの旅行のことを思い出しました。
英語で理学療法をもう一度学び、 さらに自分の技術を伸ばすため、そして英語という言葉を使うことによって世界中の多くの人と繋がるために、海外でPTの資格を取るという決断をしました。
免許の取得方法
オーストラリアでPTの資格を取得するには大きく分けて二通りあります。
一つは、…
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オーストラリアの腰痛評価と治療
”PTが鑑別診断をする国”オーストラリア
腰痛治療に対して、日本では様々な治療技術が普及しており、素晴らしいものも数多くあることは事実ですが、その技術をどの患者に使うことがより効果的な結果が得られるのかは、適切な診断のもとに成り立っています。
腰痛には、85%の腰痛は解剖・病理学的な原因がわからない非特異性腰痛とされるものと、痛みなどの症状が解剖・病理学的なものに起因している特異性腰痛があるとされています。
オーストラリアでは臨床上、これらの患者らが医師の診断を介さずに直接クリニックに訪れるため、フィジオセラピストには鑑別診断能力が求められます。
【日時・場所】
2017年7月8日(土)10:00〜16:00 エバーウォーク両国店
【講師】
江戸 英明先生(Life Ready Physio + Pilates Physiotherapist)
【講義内容】
・問診方法(鑑別診断の際にオーストラリアのPTが行う質問)
・評価
・視診
・触診
・AROM
・Over pressure(オーバープレッシャー)
・Combined movement(複合運動)
・Repeated movement(反復運動)
・PPIVM(脊椎の他動的関節可動域テスト)
・Pain Provocation Test(疼痛誘発テスト)
・Neural Tissue Provocation Test(神経誘発テスト)