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第一回:森岡ゼミがターニングポイント【畿央大学大学院|理学療法士 今井亮太先生】

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やる気のなかった学生時代

― 理学療法士を目指したきっかけを教えてください。

今井先生 はじめは医師を目指していましたが、すぐに無謀であることに気が付いて諦めました。笑 それでも医療分野に進みたいという思いはずっとありました。

小学校から高校までサッカーをしていましたが、ケガも多く、試合に出られないこともありました。そんな時に「理学療法士という職業がある」というのを知り、目指そうと思いました。

 

― 実習はどんな感じでしたか?

今井先生 高校卒業後、国立大を目指していましたが2年連続不合格になり、大学入学後には燃え尽き症候群になりました。あまり勉強に対するやる気がなかったこともあり、実習でも熱い想いを持って望むことができませんでした。やる気のなさは、クラスでもトップレベルだったと思います。笑

 

クラスの友達は、実習から帰ってくると理学療法士に対して熱く語ることも多かったですが、自分はどうしても熱くなれず、「理学療法士にならない方がいいかな」と本気で悩んでいました。

 

卒業研究がきっかけで論文投稿

― 大学の研究室選びはどうやって決めましたか?

 

今井先生 研究室選びでは、最初は森岡研究室にいくつもりではありませんでした。一番厳しいと評判でいきたくないと。。。笑 ただ、運動器が好きでしたので運動器関連の研究室に行こうと思っていました。

 

しかし、兄から「研究室は厳しいところに入ったほうがいい」と言われました。やる気のない弟を心配してくれていたみたいです。実際に兄もいろいろ調べて薦めてくれたのかなと思います。正直、厳しいのが嫌いなので乗り気ではありませんでしたが、森岡研究室に希望を出し、たまたま入ることができました。

 

その時の森岡研究室のメンバーは、成績上位の子ばっかりで、周りからは「なんで今井が入っているの?」と思われていたと思います。笑

 

― それは(森岡研究室に入れるかどうか)どうやって決まるのですか?

 

今井先生 学生は希望を出しますが、最終的に誰がどの研究室に入れるかは大学側が決めるので、そればかりは全く分からないです。結果的には、森岡先生のゼミに入れてすごく良かったです。私はここで研究をしていなかったら理学療法士になっていなかったかも知れません。

研究といっても卒業研究なので、すごく雑なものでしたよ。笑

 

―――それでも、学会発表して、論文投稿したと聞きましたが?

 

今井先生 森岡研究室の先輩が卒業研究を全国学会に演題登録していたので、私も登録して発表してみたいなぁ~と思い森岡先生に相談したところ「出してみたら?」ということだったので、演題登録しました。就職してすぐに学会発表で大変でしたね。笑

 

その後に、論文投稿に興味を持つようになり、森岡先生に相談しました。

 

森岡先生は「今のままでは無理だから、もう一度整理し、実験してみたら?」ということでやってみることになりました。勉強し実験をすることになり、その内容を投稿しました。

 

実験をしていたので2年目でも全国学会で発表ができました。また論文も掲載され、この経験が非常に楽しかったですし、今までに無い感覚でした。

 

― 学会発表で賞を取られたと思うのですが、どのような研究で、なぜそれを研究されたのかを教えてください。

今井先生 タイトルは、「橈骨遠位端骨折術後患者に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果」です。研究内容としては、術後翌日より腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、痛みの感覚的側面だけではなく情動的側面の改善が認められたこと。

 

また、その効果が2ヵ月後まで持続していた。というもので、雑誌「理学療法学」にも掲載されました。

 

大阪で痛みの講演(何かの学会だったと思います)があり、そこで、不動や固定が痛みを増悪させていることや、痛みの心理面などについての講演を聞き、痛みって面白いなと、興味を持ちました。

 

卒業研究から継続して研究していた腱振動刺激による運動錯覚を、臨床に応用できないかともずっと考えていました。そのときにひらめいたのが、術後急性期で運動が困難な患者に、腱振動刺激による運動錯覚を惹起させてはどうか?と思ったのが研究を始めたきっかけです。

 

― その後も運動錯覚の研究されていましたよね?

今井先生 賞はとっていませんが、このあと、手関節の運動機能への効果が認められたこと(Clininical Rehabilitation, 2017)や運動錯覚中の脳波を測定し痛みの軽減に関わる脳領域を明らかにしました(NeuroReport, in press)。

 

続くー。

 

【目次】

第一回:森岡ゼミがターニングポイント

第二回:「痛みはどうですか?」と聞き続ける言葉のバイアス

第三回:患者と後輩のマネジメント

最終回:あらゆる人と繋がり沢山の視点を得る

 

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今井亮太先生のプロフィール

河内総合病院リハビリテーション部 畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室博士後期課程

 

学歴

2011年 畿央大学健康科学部理学療法学科 卒業

2011年 医療法人河内友紘会 河内総合病院リハビリテーション部 

2015年 畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室修士課程 修了

2017年 畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室 博士後期課程 在学中

 

論文

  • 今井亮太,中野英樹,森岡 周:物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動-fNIRS研究-.理学療法科学.2012, 27(4): 401-405.
  • Imai R, Hayashida K, Nakano H, Morioka S. Brain Activity Associated with the Illusion of Motion Evoked by Different Vibration Stimulation Devices: An fNIRS Study. J Phys Ther Sci. 2014 Jul; 26 (7): 1115-9. 
  • 今井亮太,大住倫弘,平川善之,中野英樹,福本貴彦,森岡周.橈骨遠位端骨折術後患者に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果‐手術後翌日からの早期介入‐.理学療法学.2015. 42(1)1-7.
  • 今井亮太,大住倫弘,森岡周.腱振動刺激による運動錯覚が痛みに与える効果.日本運動器疼痛学会誌.2015. 7(2). 213-218
  • Imai R, Osumi M, Ishigaki T, Morioka S. Influence of illusory kinesthesia by vibratory tendon stimulation on acute pain after surgery for distal radius fractures: A quasi-randomized controlled study. Clin Rehabil. 2016. 30(6),594-603
  • Imai R, Osumi M, Ishigaki T, Morioka S. Effect of illusory kinesthesia on hand function in patients with distal radius fractures: a quasi-randomized controlled study. Clin Rehabil. 2017.31(5):696-701
  • Imai R, Osumi M, Ishigaki T, Morioka S. The influence of trait anxiety and illusory kinesthesia on pain threshold. J Phys Ther Sci. 2017 29(7)1236-1241
  • Imai R, Osumi M, Ishigaki T, Morioka S. Effects of illusory kinesthesia by tendon vibratory stimulation on the post-operative neural activities of distal radius fracture patients. NeuroReport. 2017. in press.

受賞

  • 第48回日本理学療法学術大会 優秀賞
  • 第18回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 優秀賞        
  • 第7回日本運動器疼痛学会学術大会 奨励賞ポスター賞
  • 第20回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 優秀賞
  • 第7回学術誌掲載 理学療法学 最優秀論文賞(日本理学療法士学会)

学会活動

一般社団法人 日本ペインリハビリテーション学会 代議員

 

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