下肢慢性創傷に対する理学療法実施率 4割満たず

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今回、糖尿病を起因とした疾患、糖尿病足病変/下肢慢性創傷、糖尿病性腎症/透析に対する理学療法士の実態が、日本理学療法士協会の調査により明らかとなった。

 

・下肢慢性創傷に対する理学療法実施率は、有効回答1,363件のうち498件(36.5%)と4割に満たないことがわかった。

・理学療法評価については、ADL・身体機能・歩行能力・疼痛の評価は行われていたが、慢性創傷患者の疾患特異性を反映すると思われる「創の評価」「下肢虚血の評価」「心機能の評価」「足底圧(足底負荷量)の測定」の実施率は低く、当該事項についてはリスク管理が不十分である可能性が示唆された。

・糖尿病性足病変の疾患特異性を考慮した評価としては、末梢神経障害の評価、足部変形の評価、皮膚・爪病変の評価が多く実施され、下肢虚血の評価(ABI等の測定)や足底圧(足底負荷量)の評価の実施は少なかった。

(引用元:日本理学療法士協会

 

糖尿病に対する運動療法のエビデンスも明らかになってきており、運動は糖尿病腎症を悪化させず、むしろ患者のADLを維持させるためには運動は重要であるというコンセンサスが得られている現状においても、糖尿病を起因とする下肢慢性創傷、糖尿病足病変、糖尿病腎症などにおける理学療法士の関わり方は確立できていないということである。

 

実施率が低い現状においては、「医師の処方がない」、「診療報酬が得られない」、「マンパワーの問題」など体制上の問題が実施を阻んでいる可能性が示唆されている。そのため、これらの疾患に対しての介入におけるリスクの把握やリスク管理として、理学療法士の関わりが重要であるという理解が進むようなエビデンスに基づく情報の提供、処方をもらうための取り組みが必要になってくる。

 

また、これらの疾患に対して理学療法を実施している施設でも、下肢虚血の評価や足底圧の評価の実施は少なかったという調査結果が出ている。運動療法に対してのエビデンスが確立されている中、二次的に生じる障害に対するリスク管理が不十分である可能性が浮き彫りになった。

 

これから糖尿病患者に理学療法を提供していく中で神経障害、腎症などにより生じる障害に目を向けつつ、適切な評価を行っていく必要があると言える。

 

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