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痛み治療から考えるリハビリの可能性【西鶴間メディカルクリニック理事長|中西一浩先生】

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中西一浩 がん領域においても、先ほど痛み対策が非常に遅れているという話がございましたが、実際その通りだと思います。実際僕の場合は、がん対策基本法が策定されまして、日本医科大学附属病院の方で、がん(診療連携)拠点病院をとりたいということで、がんセンター及び、緩和ケア科を立ち上げるという命が下りまして。

 

それでがん対策基本法に則って、緩和ケア科、がんセンターの立ち上げに携わってまいりました。そこで、緩和ケア科は皆さんご存知の通り、全人的な医療を目指すということですが、イコール慢性痛にも全く言えることですけれども、僕の場合はもともとそちらの方に携わっていたために、慢性疼痛、急性痛も含めてですけれども、痛みの治療体制を作るという意味では割とスムーズに入れたのではないかと思います。

 

もう一つ、大学を辞めた理由は、大学はやっぱり縦割りなんですね。先ほどもお話があったように、やりたいことはなかなかできない。痛みの治療をしていても他の整形外科との連携、理学療法士との連携、心療内科との連携を取りたいと考えてもですね。時間がかかりすぎると。で、一つの科が好意的ではない考え方をお持ちだと、そんな選択をすることは全くできない。

 

そういう理由がありまして、それなら自分でやっちゃった方が早いと。ということで、大学を辞めてですね。

 

実家のクリニックの隣にペインクリニックを立ち上げました。そちらの方でまずはペインクリニック、私共(医師)の神経ブロックと薬物療法を主体としたペインクリニックをはじめまして、そのあと江原さんを迎え入れることが出来まして。

 

それとともにリハビリテーションを充実させるということで、医療を使ったリハビリ、もう一つは介護保険を使ったリハビリをやろうということで、デイケアも併設するという形で痛みと理学療法、運動療法、というのをいかに連携させて、効率よく治療していこうかと考えています。

 

まあ実際の臨床の中でいろいろと得たのですが、慢性痛と言ってもいろんなタイプがいます。一言でこれはこれだ、といえることは全くなくてですね。

 

あらゆる痛みのタイプがございますので、そのタイプに則った治療をすすめていかなきゃいけないということ日々感じております。つまり経験が重要であるということです。いろんなタイプの患者さんに相対して、それを実際に診させていただくという経験の積み重ねでやっと、効果のある痛み対策、痛み治療が可能になってくるという風に考えています。

 

次のページ>>急性痛から慢性痛へどうやって移行してくるか

 

提供:特定非営利活動法人 ペイン・ヘルスケア・ネットワーク

 

中西一浩先生プロフィール

1986年 日本医科大学卒

1986年 日本医科大学附属病院麻酔科研修医

1988年 日本医科大学附属病院麻酔科助手として勤務

1989年 日本赤十字社医療センター麻酔科勤務 

1992年 国家公務員共済組合横須賀共済病院に麻酔科医長として勤務 

1995年 日本医科大学附属病院集中治療室助手として勤務。重症手術患者の周術期集中治療管理、重症心不全・虚血性心疾患患者の集中治療管理に従事する。 

1997年 日本医科大学附属病院麻酔科医局長に就任 

2001年 日本医科大学附属病院麻酔科講師に就任 

2005年 日本医科大学附属病院麻酔科准教授に就任 

1997年〜2007年は、手術室麻酔管理業務およびペインクリニック外来における慢性疼痛治療に従事する。 

2007年 日本医科大学付属病院緩和ケアチームリーダーに就任、ペインクニック外来兼任 

2008年 日本医科大学附属病院緩和ケア科部長、がん診療センター副部長に就任 

2010年 日本医科大学附属病院麻酔科教授に就任 

2007年〜2012年はがん患者の緩和ケアおよび慢性疼痛患者のペインクニック外来に従事。また、日本医科大学附属病院のがん診療方針・計画の策定に関わる 

2013年 西鶴間メディカルクリニック理事長に就任

痛み治療から考えるリハビリの可能性【西鶴間メディカルクリニック理事長|中西一浩先生】

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