高床で木造のタイハウス
洪水や暑さなど熱帯地方のなかで生活するために工夫されています。バンコクでは見かけることは少なくなりましたが、まだ、地方ではこのようなタイハウスを多く見かけます。生活空間は2Fとなるため、外出するさいは必ず階段を昇降しなければなりません。日本では、「これからは1Fに生活空間を移しましょう!」なんてことが言えるかもしれませんが、タイハウスでは難しく、誰かの力を借りなければ、そのまま寝たきりになってしまいます。カンボジアでも同様です(記事はこちら)。
日本のように福祉用具を安価でレンタルできない
日本のように介護保険を使って、福祉用具を安価で購入したり、レンタルすることができないため、生活空間は限局されます。もちろん、在宅支援サービス(通所・訪問サービス)も整備されていないため、家族親戚、近隣住民が支え合いながら生活しています。タイでは、薬局などで、杖や歩行器などが売っています。日本の福祉用具の質が高いのは、タイ人も知っていますので、後は価格をどれだけ安く提供できるかだと思います。例えば日本のシルバーカーを購入すると、タイ人の1ヶ月分のお給料が全てなくなります。「それでも買いますか?」
あるもので何とかする(車椅子延長ブレーキ)
車椅子の延長ブレーキを壊れたT字杖を使用し作製しました。日本では捨ててしまうものも途上国ではとても役立ちます。サランラップの芯を探すのも一苦労なんです。
あるもので何とかする(除圧クッション)
青年海外協力隊員の伊藤さんがタイで活動中に職場の方と一緒に考えた脊損患者のための除圧クッション。ゴム風船から始まり、コンドームを経て、現在は病棟で使用されている医療用手袋の二枚重ねが最も長持ちすると改良されています。医療用手袋を二枚重ねし、周りを濡らさないよう気を付けながら手袋の長径の半分位(約200㏄)まで水を入れて2枚一緒に縛り、少し空気が入った状態の水袋を作ります。クッションカバーは、枕カバーを元に立体的に縫製されています。写真のオレンジ色の場合は、2×3の正方形のマス目状の構造になっており、真ん中にあるスリットからその左右に3つずつあるポケットにそれぞれ水袋を挿入するという仕組みです。