布施 陽子先生が解説!「妊娠に伴う身体変化」

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布施先生 それでは、実際の評価の説明を実際に妊婦さんと共に説明していきたいと思います。この妊婦さんはマイナートラブルが特にない正常な妊婦さんになります。この妊婦さんの矢状面上の姿勢評価をこれからご説明いたします。

 

妊婦さんになるとお腹がこのように前方に出てくるので、そのバランスを調整するためにどこかしらで重心を後方化する作用が働きます。この妊婦さんの姿勢を見てみますと、股関節は少し重心線よりも前方へ移動しています。

 

そして骨盤のアライメントは少し後傾しています。腰椎に関しては少し扁平化しています。その代償として胸椎がやや後弯しているという”フラットバック”の姿勢であると言えます。妊婦さんの矢状面の評価をするときに大事にしていることが、この脊柱のしなり方を注目しています。

 

重心の前方化がありますので、それに伴って脊柱がしっかりしなっているって言うことが大事になります。フラット姿勢でも駄目ですし、しなりすぎていてもそれはマイナートラブルにつながってしまいます。

 

妊婦さんの矢状面の評価で脊柱のしなり方という点と、もう一つ気をつけている点があります。それに関してはこの「おへその位置」で腹部の一番出ている部分がベクトル方向としてどこを向いているかというところに注目しています。

 

この正常なマイナートラブルのない妊婦さんの姿勢を見てみますと、おへその位置。この一番腹部が出ているところのベクトルがやや上の方向を向いていることがわかります。マイナートラブルを抱える妊婦さんですと、このベクトルが下向きでしたり、すごくまっすぐ向いていましたり、そういったベクトルの向きが上に向いていないことが多くあります。

 

この意味としてはですね、お腹の赤ちゃんはどこかに固定されているわけではないので、やはりこのおなかの中で赤ちゃんの位置が適切な位置に保てているという評価になります。この赤ちゃんが適正な位置にとどめられていないということになりますと、とどめていない理由としては、中の腹腔内圧がしっかりと働いていないからということが考えられます。

 

なのでこのベクトルを見てですね、ベクトルの位置が下向きになりつつある妊婦さんに関しては、次の段階としてインナーマッスル腹横筋等の評価を進めていくことになります。


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布施 陽子先生が解説!「妊娠に伴う身体変化」

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