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肩関節周囲炎とは

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謎の多い肩関節周囲炎

 整形外科疾患のリハビリにおいて、難渋例として紹介されることの多い肩関節周囲炎。そもそも、肩関節周囲炎には上腕二頭筋腱炎、肩峰下滑液包炎、癒着性関節包炎、変形性肩関節症などが含まれる包括的な名称である。

 

海外の文献を見ると、frozen shoulder,stiff and painful shoulder,periarticular adhesions,tendinitis of the short rotatorsなどなどたくさんの用語が使われ、関節拘縮に伴う疼痛があるものに対して、肩関節周囲炎が用いられることが多いが、同義語として用いられる。

 

 

最近では、モヤモヤ血管と呼ばれ、肩関節周囲に血管が増殖することによって痛みが生じているのではないか、との見解もあります。通常、血管の増殖に伴い、神経も共に増えることがわかってきている。それに対してカーテーテルによる治療が最近行われる様になってきた。

 

リハビリでできること

理学療法士学会による「理学療法診療ガイドライン第1版(2011):一部抜粋」を見て見ると以下の様なことが書いてある。

理学療法の単独あるいは他の治療との併用での介入は症状を軽減させ,機能の改善を もたらすが,癒着性関節包炎にどの程度効果的かを示すエビデンスはない

一般理学療法(standard physical therapy) 推奨グレード B エビデンスレベル 2

具体駅な方法としては、運動療法の積極的な介入または、他の方法との併用が有効という報告が多かったという。その中でも、初期の段階においては、痛みに注意し行い「理学療法の介入によって、その予後を悪くすることのないよう」留意することが必要だと結んでいる。

 

定義的な部分からガイドラインまでを調べると、用語の不統一(病態の多様化)によって、その方法までもが抽象的なものが多いと感じた。この疾患に対して、必要な評価として、各機能障害の評価は必須であるものの、ガイドライン上ではエビデンスレベルの低いものが多い。

 

評価基準としては、MRIや関節鏡を使う方法が最も有効である点から、我々理学療法士が行うべき評価はより生活活動レベルのでの上肢機能を評価することだろう。

 

例としては、Quick DASH*が用いられる。

*Quick DASH:上肢疾患のADL評価で世界的に用いられるDisability of the arm, shoulder and hand(DASH)の縮約版である。DASHでは30項目の質問に5段階で回答するが、Quick DASHでは30項目のうち11項目から成る。この他、スポーツや芸術活動を追加で加える場合もある。

この他、shoulder pain and disability index(SPADI),日本独自の肩関節疾患治療成績判定基準(JOA スコア)を用いた総合的な評価が必要になるだろう。

参考

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17457680

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28734535

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28365171

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24618195

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2813507/

https://ganjoho.jp/data/professional/med_info/path/files/basic_pro_breast04-fig02.pdf

引用

http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/10_shoulder_periarthritis.pdf

 

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