最高のパフォーマンスを引き出すために|動きの質を高めるスリー・ステップ・コンディショニング (書評)

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 コンディショニングという言葉は,「調整」や「調節」などの意味で多くつかわれます.では,動きの質を高めるコンディショニングとはなにを指すのでしょうか?セラピストとして高齢者の日常生活動作からアスリートの競技動作まで幅広く動きを改善するためにこれらの知識は必要になります.本著では,コンディショニングの中でも特に体幹について多く語られています.

 

近年,体幹というワードが独り歩きしている印象を受けます.代表的な筋力検査であるMMTでも体幹屈曲など体幹筋力の検査はあります.しかし,それだけでは無数にある日常生活動作や競技動作の運動の組み合わせに対応しているとは言い難いです.

 

体幹について著者は以下のように説明しています.

上部体幹は肋骨などで覆われており動きが小さく,脊柱の形態からも上部体幹の固定性が高いことが理解できる.一方,下部体幹は腰椎で大きな運動を行い,ときに姿勢保持として固定性も示す多機能な部分である.そのため下部体幹が注目され,動作に関わる筋肉も多いことから重要視されている.

(出典:動きの質を高めるスリー・ステップ・コンディショニング)

このように,動作の中で体幹では固定性と可動性が必要になります.なにが強い体幹で,そこに向けてどのようなエクササイズを取り入れる必要があるかを知ることが大切です.

 

 本著では「レッドコード」と呼ばれる運動機器を用いた運動療法が解説されている.しかし,基本的なコンディショニングの理論は変わらないため,レッドコードを使用せずとも実践は可能です.ワン・ツー・スリーと段階を踏むことで,運動パフォーマンスを順序良く高めていきましょう.また,この理論を学ぶことで動作コンディショニング不足の方に対してどの段階でつまずいているのか,どの運動が必要なのかを理解できます.セラピストとしてコンディショニングを行うのにオススメの1冊となっています.

 

最高のパフォーマンスを引き出すために|動きの質を高めるスリー・ステップ・コンディショニング (書評)

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