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小川暁子先生 -海外を通じてキャリアアップを考える理学療法士(PT)-

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 PT学科に進んだ理由

インタビュアー:

よろしくお願いします。
PTを目指した理由をお聞かせいただけますか?

小川先生:

高校を卒業するときに漠然とですが福祉か医療系に行きたくて、理数系が苦手だったので医療系は無理かなとも思ったんですけど、苦手という理由であきらめたくない、どうせなら苦手なことに挑戦してみようと思って進むことに決めました。

看護も考えましたが、リハビリの方が興味を惹かれたんですね。

それと、高校生の時、雑誌を読んでいた時に、理学療法学科で勉強しているという先輩の記事を見たことも理由の1つです。

私は高校生の時から青年海外協力隊(以下、JOCV)には行きたいと思っていて、その方もJOCVに行きたいと言っていらして。

そうか、資格を持っていると有利なんだなと思って、医療福祉の職業でしかも協力隊参加にも有利ということも加わり、PT学科に進学しました。

インタビュアー

JOCVも含めて、今までのご経歴をお伺いできますでしょうか。

小川先生:

埼玉県立大学の出身です。

卒業後、近隣の回復期病院に4年勤めてから2年間中国へJOCVとして行きました。

帰国後、東京都健康長寿医療センターで半年間健康増進の仕事に関わらせていただいた後、今の病院で働き始めました。

 

インタビュアー:

今の病院でのお仕事は具体的にどういった内容なのでしょうか。

小川先生:

 急性期の総合病院なので、整形、中枢、心疾患など多種多様な患者様がいらっしゃいます。

特に急性期なのでリスク管理が大切です。

回復期では生活環境の整備などを学ぶことができましたが、急性期では状態が安定していない方も多く、日々の体調に合わせた理学療法の提供がとても勉強になっています。

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 発展途上の中国リハビリに飛び込む

インタビュアー:

高校生の時からJOCVに行きたかったということですが、具体的にやりたいことなどはあったのですか?

小川先生:

もともとはテレビで途上国の状況を知り、何か役に立ちたいと思ったことがきっかけでした。

また、好奇心旺盛なので、海外の生活に興味があって、現地の人と共に働きながら生活するということをしてみたいな、という気持ちと両方ありました。

インタビュアー

小川先生は中国に行かれたということですが、協力隊に行く国は選べるのでしょうか。

小川先生:

経験年数や募集している国などが書かれた募集要項がホームページに出ているので、基本はそれに応募する形です。

絶対にここ!として指定することもできますし、いくつか候補地の希望を出したり、受かるのであればどこでもいいです!という形で応募することもできます。

正直、私は最初、中国に対する印象が良いものではなく迷いもありました。

でも中国の募集が回復期病院だったので、これまでのPTの経験を活かせるのはここだなと思って、第一希望を中国にしました。

インタビュアー:

実際に中国ではどういう仕事をされていたのでしょうか。

小川先生:

中国側の要請としては、技術指導をしてほしいということでした。

自分たちのやっていることがあっているのか、足りないところがあったら指導してほしいというものでした。

行った直後は言葉もスムーズではないので、言葉で指導するというよりも、一緒に患者さんを診るという形で、中国人の同僚と話し合いながら進めるような感じでした。

OJTみたいな感じですね。

ちょっと慣れてきたころから、同僚向けに勉強会を開いたり、カンファレンスを開いたりしました。

中国はリハビリがまだ浸透していなくて、患者さんはもとより、医師もリハビリを重要視してないんですね。

そのために患者さんがリハビリまでたどり着けなくて、家で寝たきりになってしまうという人がいるのを目の当たりにして、病院でリハビリを提供するだけではなく、まずリハビリの概念を普及しないといけないと思いました。

TVCMを打ったり、広報活動に努めたり、リハビリを受けられなくても取り組めるよう自主トレ本みたいなものを作ったり、配属先のグループ内の病院に行ったりして普及活動に努めていました。

インタビュアー:

そうなんですね。中国はまだリハビリテーションに対する理解は進んでいないということでしょうか?

小川先生:
そうですね。

今急速的に伸びてきているところだと思うんですけど、そもそもリハビリの学校自体が少なくて、専門的に学んでいる人が少ない状態なんです。

なので、看護師さんなどが研修を受けたり、先輩に教わるなどして、見よう見まねでやっている状態でした。

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   ADLよりとにかく機能訓練

インタビュアー:

中国で理学療法士という資格はあるんですか?

小川先生:
PTという資格はないのですが、リハビリ治療師というPTOTSTが一緒になったような資格があります。

学校でもそれらを全部勉強します。

その中でもPTの分野が進んでいると思います。

OTの分野やSTの分野はあまり進んでいません。

中国の人って、まだ大家族で住んでいる人が多くて、介護は家族で行うものという概念が強くて、ADLの自立という概念が進んでいないんですね。

その人の機能が回復すればいい、という要望が多いんですよ。

これがOTが進まない原因の1つだと思います。

ADL練習とかすると、もっと脚が動くようになるような訓練をしてくれ、などのクレームが来てしまいます。

インタビュアー:

そういった面で、認識の違いで困ったことはありましたか?

小川先生:
PTとしてはあまりなかったですけど、一緒に行っていたOTの人が1回のリハビリでずっと更衣の練習をしていたら、「今日はリハビリじゃなかった!」と怒られてしまったことがありました。

また、病院は24時間介護ではないので、家族がいないと入院できないんですね。

家族がずっと一緒にいるので、たとえば食事とか、排泄の分野とか、家族に頼ってしまって、あまりADL練習が普及しないんですね。

私が行っていたのは北京の近くだったんですけど、南の方が欧米の文化や資本とかが入っていて、病院の設備もリハビリテーションについての考えも進んでいると印象でした。

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  太田暁子先生の経歴

【主な経歴】

埼玉県立大学をご卒業後、回復期病院に4年勤めたのちに2年間中国へ青年海外協力隊として派遣される。帰国後、東京都健康長寿医療センターに半年勤務され、現在新東京病院に在籍。
【次回は2015年4月17日に配信予定です】
小川暁子先生 -海外を通じてキャリアアップを考える理学療法士(PT)-

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