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坐骨神経痛?殿部痛?

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ハムストリングスのストレッチを行おうとすると、坐骨結節よりも上方に痛みがあってうまく伸ばせないというハードル選手の治療に取り組みました。

競技特性上、不自由なく、また躊躇なくハムストリングスを伸ばす必要があるため、100点満点の症状解消を目指しました。

 

■ SLR、股関節屈曲制限の因子

 

坐骨神経と大腿方形筋、内閉鎖筋、梨状筋などの一般的にもよくみられる癒着のリリースが終わっても症状がなかなか改善しません。症状を頼りに深部を探ってみたところ、以下のようなリリースが必要でした。

 

① 坐骨神経の神経鞘内(上双子筋付近)で、神経鞘内での脛骨神経と総腓骨神経をリリースするとともに、神経鞘外で坐骨神経の側方への滑走性を改善。

 

② 内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋を坐骨外側からリリース。

 

③ 内閉鎖筋の内側で仙結節靭帯および肛門挙筋、尾骨筋からリリース。

 

以上のような大きな組織のリリースが完了してもまだすっきりしないので、さらに探索したところ以下のリリースが必要でした。

 

④ 陰部神経が内閉鎖筋上で外側に偏位していたので、内側に移動させるようにリリースし、閉鎖孔後面に滑らせた。

 

⑤ 坐骨神経よりも内側で、上双子筋と内閉鎖筋の表層に癒着していた後大腿皮神経をリリース。

 

⑥ 内閉鎖筋の深層で、坐骨外側上に神経を発見。この神経と内閉鎖筋、上・下双子筋との間をリリースして筋を開放するとともに、神経を骨からリリース。おそらく大腿方形筋を支配する神経。

 

以上のプロセスを通じて、上記全てがSLR、股関節屈曲制限の因子となることがわかりました。

■ 筆者・セミナーご紹介

筆者:蒲田和芳

・広島国際大学総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授

・株式会社GLAB(ジーラボ) 代表取締役

・一般社団法人日本健康予防医学会 副理事長

・株式会社リベラシオン 代表取締役

 

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