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変形性関節症患者におけるClinical Prediction Ruleの構築|田中繁治先生 #3【世界で発見!こんなところに療法士】

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アジア理学療法フォーラムでの言語ボランティアスタッフと一緒に

 

苦労したこと

 私が苦労したことと言えばやはり言語の問題です。渡航した初日に携帯電話を契約するなどの様々な手続きが大変だったので、そこでは色々と苦労しました。ただ、強いて言うならば、ということくらいです。基本的には、本当に充実した留学をさせていただいたと思っています。

 

どちらかというと、私にとっては自分が苦労したことよりも他者に苦労をかけたこと、の方が印象に残っています。まず、子供の世話を一手に担ってくれた妻には大変な苦労をかけたと思いますし、子供にも会えない寂しさを与えたと思っています。また、職場においても私の業務を担ってくれた方々がいます。こういった人々の支えがあってこそ成立していた留学ですので、「苦労した」なんてことを言うのはおこがましいような気がしています。ただ、こうした人達に支えていただいていることは非常に心強かったですし、せっかくの機会なので思い切り学んで来ようという気持ちになっていました。

 

留学後について

 私は現在、神奈川県立保健福祉大学という横須賀にある大学に勤務しています。私の教員生活でのテーマは「Promotion of the health in older adults and development of physical therapy education」と定めて研究・教育活動に臨んでいます。私がリーチする場所としては「国際社会」と「地域社会」と定めていますが、今回は国際社会の方にだけしぼって現在の活動を紹介させていただこうと思います。

 

 留学を経験してからもできるだけ多くの文化に触れたいと思い、積極的に海外に行くようにしています。留学後にはドイツ、ポルトガル、スペイン、台湾、タイ王国、フィリピン、オーストラリアへ行く機会がありました。また、それと同時に国内外に沢山の研究仲間を作りました。現在は出会った人達とのご縁を大切にしながら、国内において変形性関節症患者におけるClinical Prediction Rule(CPR)の構築を行っています。

 

これが、私の目標を達成するためのアクティビティーの1つです。CPRは臨床をしている人々が最善の評価や治療を提供するために有用なツールで、ダイレクトアクセスが許可されているような国々では様々な報告がすでにされています。この方法論自体は日本で学んでいましたが、McGill大学の教員からも指導を受けることができ、現在も共同研究者として指導を受けています。

 

国内で得られた研究結果は、研究論文として国際誌に投稿するようにしています。CPRの持つ概念や構築の方法は理学療法士にとって非常に大切であるため、論文として公表すればどの国からでも情報にアクセスすることができるからです。今後はCPRの考え方などをアジア諸国で広めていきたいと考えています。拡散させる方法としては、動画などを活用することを検討しています。

 

つまり、私が行っているのは、国内で得たデータやその方法論を国際誌に投稿し、説得力を持ったアクセス可能な状態を作り、それを教育するためのツールを開発するということです。現代では、SNSの普及も進んでいるため、海外においても情報を得ることは容易になってきました。また、通信システムが整っていれば動画を利用するだけではなく、日本にいながらも講義を行うことが可能です。今後もこの活動を深化させていきながら途上国、特にアジア地域での理学療法の教育方法を模索していきたいと思っています。

 

 また、こうした活動には協力者や賛同者が必要になってきます。いわゆる「知り合い」や「つながり」と言われるものが重要だと思っています。先日、この「つながり」を形成するための絶好の機会がありました。皆さんは日本理学療法士協会や内閣府が、アジアでの人材育成などを目的に第2回のアジア理学療法フォーラムというものを2019年1月に開催したのをご存知でしょうか?

 

このフォーラムはアジアの17か国から政府関係者および理学療法士協会関係者が参加し、これからのアジアの高齢化問題や理学療法教育について意見を交わしました。私は2年連続で言語スタッフとして参加する機会を得ましたが、ここでは多くの素晴らしい「つながり」ができました。同じ言語スタッフで参加した面々は言語能力もさることながら高い人間性や志向性を持っていましたし、アジアから参加の方々も真剣に自国の問題に向き合っていました。

 

アジア諸国の方々と「教育」について意見を交換し、私の思っている方向性が間違っていないことを確認できたことは大きな収穫でしたし、今後自身の活動を広く普及するための力になっていただけると感じました。もちろん、カンボジアの方々ともお話ができました。ここで形成された「つながり」を大切にしながら、自身の目標が達成できるように今後も頑張っていきたいと思っています。

 

第五回タイスタディーツアー開催!

【日時】2019年3月25,26日(ホテル3泊)

【料金】学生35,000円、社会人40,000円 料金に含まれるもの:ホテル3泊、食事7回、移動費

【旅行協力】名鉄観光サービス(株)名古屋伏見支店

【内容】現地の私立病院、有料老人ホーム、PTクリニック、公立の障害者ホーム、公立病院、タイの家屋状況などを見学予定。

詳細は直接、岩田先生のFBにメッセージをください。

▶︎ http://kenji7.main.jp/123-2/

 

田中繁治 プロフィール

学歴

2004-2007 専門学校川崎リハビリテーション学院理学療法学科

2007-2009 佛教大学社会福祉学部社会福祉学科

2010-2012 吉備国際大学大学院保健科学研究科理学療法学専攻(修士:理学療法学)

2016-2016 McGill University, Graduate Research Trainee

2014-2017 神戸大学大学院保健学研究科保健学専攻(博士:保健学)

 

職歴

2007-2018 専門学校川崎リハビリテーション学院理学療法学科

2007-2018 川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター

2018-   神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部

変形性関節症患者におけるClinical Prediction Ruleの構築|田中繁治先生 #3【世界で発見!こんなところに療法士】

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