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論文抄読の目的は翻訳?

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今日のセラピストは研究に取り組むか否かに関わらず、世界から発信される一次データから情報を得る能力が必要とされます。臨床において、エビデンスを理解することは不可欠であり、そのためにも論文を読む習慣を若いうちに作り上げることが必要になります。

■ 学生に抄読会で発表させる目的

大学教育もしくは大学院教育において、学生のうちからこのような一次情報を入手し、正しく理解できるような能力を身につけさせることが必要になってきました。野生動物にとっての「餌のとり方」を習得することと同様に、情報を入手するという重要なスキルは、できるだけ若いうちに習得すべき能力であると思われます。

 

学生に論文抄読を課すことにより、研究デザインや内容の理解を深め、世界で行われている研究の動向を理解できるように。そのとき、文章を「翻訳」することはなく、「行間も含めて論文に書かれたサイエンスの文脈を理解できるようになる」ことを目的としています。

 

行間を読むことは文学だけでなく、科学論文でも重要です。そのためには著者のバックグランドや研究室の歴史などもある程度理解しながら読み進めなければなりません。それにより、科学的な議論の流れにおいて、研究室としての主張を含めて理解しながら論文を読み、結果から結論までの流れの強引さや不自然さも読み取ることができるようになります。

 

■ 翻訳プログラムは禁止

Google翻訳など、医学論文もそれなりに翻訳してくれるシステムが使われるようになってきました。私の研究室では、翻訳プログラムの使用を全面的に禁止していますが、ときどき不自然な訳語を使って発表する不届き者が現れます。生理学を少し勉強すれば、筋活動、筋活動量といった生理学用語があることを知っていると思いますが、翻訳プログラムは「活性化」と訳します。統計用語のsignificant は、時として「重大な」と訳されてしまいます。

 

翻訳ソフトを使い始めると、日本語に訳すという作業に没頭することになり、サイエンスを理解するという本来の目的から遠ざかってしまいます。論文を書いている大学院生や著明な研究者の歴史や情熱、科学者としての立ち位置、研究の限界への対処、など、著者の息づかいを含めて、著者が主張するサイエンスを深く理解しなければなりません。繰り返しますが、学生に抄読会で発表させる目的は「翻訳して発表できるようになること」ではなく、「論文に書かれたサイエンスを理解できるようになること」にあります。翻訳プログラムの使用は論文を理解する能力を一歩も前進させません。

 

 

■ 筆者・セミナーご紹介

筆者:蒲田和芳

・広島国際大学総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授

・株式会社GLAB(ジーラボ) 代表取締役

・一般社団法人日本健康予防医学会 副理事長

・株式会社リベラシオン 代表取締役

 

セミナーご紹介:蒲田和芳が講師を務める~全身の関節疾患の治療法を学ぶためのセミナーシリーズ~CSPT2019 クリニカルスポーツ理学療法セミナーの受講者お申込み受付中です。

https://realine.info/seminar/cspt 

 

長期間の「拘縮」や「可動域制限」に対しても、確実に可動性を回復させるための徒手療法技術ISR(組織間リリース®)セミナー2019も受講者お申込み受付中です。

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■ 関節疾病の治療と進行予防のスペシャリストになるためのサイト

 

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関節疾病の治療を進めるには、一時的な症状改善ではなく、メカニズムを含めた根本からの治療が必要です。メカニズムを解決することにより、効果を長続きさせ、再発しにくい状態に回復させることが可能となります。関節疾患の原因へ根本から働きかけるリアライン・コンセプトは、足関節から膝、股関節、胸郭、肩、肘など全身の関節に適用できます。


ReaLine.infoでは関節運動指導士の技術を取得するための各種セミナーとともに、アライメント修正に有効なリアライン商品をご紹介しております。リアライン・ブログでは、蒲田の治療経験などを惜しみなく紹介しています。是非お立ち寄りください。

 

 

 

 

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