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岡田瞳先生ードイツ/日本の理学療法士(PT)ー

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不安を感じる前に自ら動く姿勢を大切に

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POSTインタビュアー:日本の若手療法士が将来に不安を抱えていることについて率直なご意見をお聞かせください。

岡田先生:日本に帰国したのは2012年です。実際には、それからも海外を飛び回る生活をしていましたので、日本をメイン拠点として活動を始めたのはつい最近のことなんです。非常勤ですが、理学療法士として自由が丘整形外科での勤務を始めたのも今年1月からになります。

私自身は、未来に関してあまり心配をすることがありません。どういう風に生きていけばいいかもイメージはしますが、不安を持つよりもどうやって楽しむか、あるいは今持っている武器をどう生かすかということを考えるようにしています。

講師業をしていると、将来に不安を抱えているという声を耳にすることもありますが、周りの情報に惑わされている部分もあるのかなと思います。

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外の世界から見ると、理学療法士は医療資格なのでどちらかというと安定感のある業種に入るにも関わらず、不況や就職難、他の職業を含めた日本経済の状況をリンクし、混同してしまっているのかなと。それから患者様のお身体をお預かりする責任の重さ、求められる知識や技術に対する自信の無さなどが、徐々に不安を大きくしてしまうのかもしれません。

ただ、情報の行き来がますます活発になる昨今において、一昔前よりも勉強のしやすい環境が整っているはずなのに、そこに対するモチベーションを感じられないことがあるのは残念です。もちろん個人差があるとは思いますが、勉強にかける時間を拘束時間と捉えたり、第一線でご活躍中の先生方から学ぶこと、セミナーに参加したりすることを休日返上と躊躇してしまうのは、あまりにももったいない。

プライベートとのバランスは大事にしつつも、不安を感じる前に自ら動く姿勢を持つだけで随分と変わってくるような気がします。

ドイツではPTが失業中

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インタビュアー:ドイツでもそういった状況があるとお聞きしましたが実際はどうでしょうか?

岡田先生:ドイツの場合は、理学療法士が開業権を持っているので、競争が激しいんですね。やはり都会を中心に、成績の上がらないクリニックや開業院は潰れていきますし、逆に売り上げを伸ばすためにアロママッサージなど、リラクゼーションや美容の要素をPTの開業院が自由診療の範囲で盛り込んでいるところもあります。

どんどんそういうところが増えていっているので、社会的には認知もされるし、元々は医療資格で安定しているので、工夫をすれば売り上げも上げることができるということで、目指す学生さんや私立の養成校は急増しています。しかしその結果、理学療法士が溢れ過ぎてしまい、最近では失業者が増えてしまっているのも事実です。

それから、失業者が増えている理由はもう一つあります。ドイツの場合は国家試験に合格し資格を取得した後、最低限リンパドレナージ、可能であればマニュアルセラピーなどの資格を持っていなければ、職探しが非常に難しい状況にあるんです。新卒にとっては厳しいですよね。

しかし、養成校を卒業してそれらの資格を取るためにはお金も時間も必要です。そうなるとドイツの場合は高校・大学卒業後は自立するのが当たり前の文化なので、家族の支援も受けにくい。お金もない、時間もない、仕事もない、という状態で労働局に失業手当を申請して、まずはリンパドレナージの資格を取得しようとする人も多いですね。

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ちょっと失業者の質が違うというか、失業手当で資格を取りに行きたいから、あえて失業者になっているという側面もあるということですね。

私はベルリンでの職場が内定という形になり、就労ビザの申請をしましたが、案の定却下されてしまいました。ベルリン市内だけで、失業中のPTが270人もいたんです。その270人を差し置いて、外国人を受け入れるわけにはいかないでしょう?ドイツ国民やEU圏内の人間を守るために、外国人に労働許可を出すわけにはいかないという理由でお断りされたんですね。

講習会情報

 

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【目次】

第一回:不安を感じる前に自ら動く姿勢を大切に

第二回:ドイツの教育システム

第三回:留学のお金事情

第四回:ドイツ理学療法士国家試験

第五回:44の医療機関を受けて43落とされた

第六回:人に認めてもらう方法

最終回:ドイツと日本でPT免許を取得

 

岡田瞳先生経歴

経歴:

1982年10月31日生まれ、茨城県出身。 筑波大学在学中に女子バスケットボール部に所属しながらスポーツ医学を専攻し、アスレチック=トレーナーの基礎を学ぶ。卒業後は単身ドイツに渡り、フィジオセラピスト(理学療法士)の国家資格を取得。その後アスリートのコンディショニングに特化したスポーツクリニック『スポーツリハ=ベルリン』にてブンデスリーガやナショナルアスリートの治療、リハビリ、トレーニング指導に携り、同時に様々なブンデスリーガ加盟クラブの専属フィジオとしても活動。2012年、約7年半のドイツ生活に終止符を打ち、2012 FIFA U-20女子ワールドカップをきっかけに帰国。同大会ではFIFAメディカルスタッフの一員として国際レフェリーのコンディショニングをサポートした。
2013年 厚生労働省より特例認定を受け、日本でも理学療法士の免許を付与される。
2014年、株式会社アレナトーレに入社し、さらに活動の幅を広げる。
2015年、医療法人社団SEASONS 自由が丘整形外科において非常勤理学療法士として勤務開始。

【所属】
株式会社アレナトーレ
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【資格】
理学療法士(ドイツ/日本)
国際スポーツ理学療法連盟公認スポーツフィジオセラピスト(ドイツ)
マニュアルセラピー(ドイツ)
医療徒手リンパドレナージ(ドイツ)
高等学校保険体育教員免許(日本)
赤十字救急法救急員(ドイツ/日本)
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キーワード

♯ドイツ理学療法士 

♯マニュアルセラピー ♯リンパドレナージ

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