11月11日、東北大学大学院歯学研究科が、日本国内の失業率が1%増えるごとに77万人超の人数が腰痛を訴える可能性があることを発表した。
▶国内の失業率1%上昇するごとに、77万人超の腰痛有訴者が増える可能~影響は女性で1.02倍増大
今回の研究が実施された背景として、地域レベルでの失業率は死亡率やうつ症状などと関連することが報告されているが、腰痛と地域単位の失業率の関連については明らかとされていなかった。そこで、各都道府県の完全失業率が腰痛の有訴と関連があるかどうか検証を実施した。
研究対象は96万2586名の労働者とし、研究方法は政府統計調査の個票データを二次利用した繰り返し横断研究を実施した。解析は目的外使用の利用許可を得た2010年、2013年、2016年の国民生活基礎調査の世帯票および健康票のデータセットをリンゲージさせて解析した。
その結果、都道府県単位の完全失業率と腰痛の有訴の関連では、完全失業率が1%上昇すると、腰痛の有訴のリスクが1.01倍有意に高くなることが判明し、女性の方が影響を受けることも明らかとなった。結論として、労働者人口においては都道府県単位の完全失業率と腰痛の訴えが関連していることが分かり、女性にて著名であることが判明した。
今回の研究から、失業率が高い都道府県において予防を含めた腰痛への積極的な介入の重要性および腰痛の社会的決定要因に失業率が関連していることが示唆されたと述べている。