富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門が、富山県認知症高齢者実態調査の追加分析を行い、認知症高齢者を早期に発見する新たな知見を発見した。
▶www.u-toyama.ac.jp/outline/publicity/pdf/2019/20200129.pdf
富山県が実施した認知症高齢者実態調査の対象者は、県内の65歳以上の高齢者から0.5%無作為抽出された1537人から同意を得た1303人。
その中から、今回の研究にて家族と同居している663人を対象に研究を実施。
研究方法として、同居家族が対象者の「物忘れ」を認識する組み合わせと、改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)との関連性を評価し、敦賀市立看護大学の中堀伸枝助教、富山大学の関根道和教授らが分析した。
分析した結果、本人が物忘れを認識することは家族よりも早く、家族が認識した頃には認知機能が低下していることが多いという結果となった。
点数は以下のとおり。
・本人が物忘れの認識なく、家族の認識もない 27.0点
・本人が物忘れの認識あり、家族も認識している 15.5点
・本人が物忘れの認識なく、家族は認識している 13.0点
今回の研究は、家族の認識なくとも、本人が物忘れを認識した時点での対応が認知症の早期発見・早期対応につながる可能性があると考るとのこと。