理学療法士資格を取得したからといって、必ずしも理学療法士として生きなければいけないわけではない。
しかし、実際には養成校を卒業後に、理学療法士として働く人が大半であり、中には「この仕事、自分に向いていないかも。」と悩みながら働いている人もいるのではないだろうか。
今回、紹介する清永将司さんは、理学療法士を辞めて、現在ビデオグラファー&映像制作講師として働いている。
仕事を受諾できるようになったキッカケ、キャリアの価値観について伺った。
キッカケはスキルシェアのプラットフォームから
清永 社会人になって大阪にあるリハビリテーション病院に就職しました。その頃から写真を撮るのが好きで、休みの日はほとんどカメラを持ち歩いて過ごしていました。
動画を仕事にしたきっかけは「ストアカ」という得意なことや専門的なスキルを売り買いするプラットフォームで、当時、マーケティングやエクセルといったビジネス系のスキルの講座を開いている人が多く、動画編集講座を本気でやっているような人はいなくて、そこで動画編集講座を教え始めました。
動機として、「動画編集を仕事にしたかった」というわけではなく、もっと時間や場所に囚われずに、自由なライフスタイルに憧れたからです。
そのためには、自宅から外に出ずとも収益が得られるようになっていないといけませんから、PTでは難しいと思い、自分がもともと得意だったカメラや動画編集の情報発信で稼げるようになろうと選択した感じです。
ストアカのサービスが立ち上がって比較的早い段階で始めていたので、おかげで人気講座ランキングで上位をキープすることができ、徐々に収入も安定してきました。
その頃には、講座の講師としてではなく映像制作の仕事も依頼されるようになっていました。また、YouTubeやInstagramでの情報発信も頑張っていて、そこから仕事をいただけるようになりました。
一つのポイントとして、何か一つのことに特化した発信、私の場合は「Final Cut Pro(動画編集ソフトの一つ)」を押して発信していたのが良かったのかなと感じています。
YouTubeに、Final Cut proの解説動画を上げている人は他にもいましたが、中級者から上級者向けに細かく解説している人はいなかったので、小分けにして発信していたらファンが増えていきました。
ある動画編集系の有名なサイトから僕のYouTubeを見て、コラムを書いてくれないかと連絡をくれて、そこからYouTubeのチャンネル登録者数も更に伸びました。
YouTubeチャンネルは現在2万人以上に登録されている。
自分の人生の満足度に影響するのは何か
今年の3月、新型コロナ感染症の流行のタイミングで鹿児島に移住してきました。これまで引き受けていた撮影の仕事は断らせていただいて、今はYouTube動画を作るだけの生活をしています。
1日の流れとしては、朝起きて、撮影するネタを考えて、午後に撮影・編集して、その日に終われば1本あげるし、終わらなければ、次の日に出すという感じです。鹿児島に来る前ほど収入が得られているわけではありませんが、挑戦の真っ只中です。
大阪の病院を辞めた後、半年間海外留学も経験しましたが、一つの場所というより、いろんな場所で生活するというのが、人生の満足度に影響すると気づきました。
自分にとって何が幸せなのかとか、内向きの分析はとても大切だと思います。自分のキャリアに悩みを抱えている人は多と思いますが、分析した結果に「理学療法士を辞める」という選択肢があってもいいと思います。
辞めた私が言うのもおかしいかもしれませんが、理学療法士は目の前の患者さんの生活に大きく貢献できる素晴らしい仕事です。
ただ、その価値観が分からなかったり、「いろんな仕事に挑戦したい」「時間や場所を選ばない自由な生活がしたい」ということの方が優先度が高いのであれば、別の仕事に就くのもいいと思いますし、また楽しく働くにはどうすればいいか、解決策を見つけるよう向き合っていくのもまたいいと思います。
◆ 「Masashi Kiyonaga」YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCVBYRQ7DK6Soi8vDOfEP7Ug/featured