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【量研】光とMRIを使い、生活習慣病や炎症から体を守る先制医療

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 ポイント

  • ・生活習慣病や炎症等から生じる体内の酸化ストレス状態を可視化するために、強い蛍光を発する量子ドットと、MRI造影剤を組み合わせた量子センサーを開発しました。
  • ・この量子センサーは細胞内の活性酸素の産生と活性酸素を消去する抗酸化能の両者を捉え、そのバランスが崩れた状態である酸化ストレスに応答して量子ドットの蛍光とMRIの信号がON/OFFします。
  • ・この量子センサーを応用、発展させることで、量子ドットの高輝度の蛍光を利用した血液検査により酸化ストレスの状態を手軽に観察できます。血液検査で強い酸化ストレスが検出されたらMRIにより全身を調べ、病気が発症する前の段階で、酸化ストレスが生じている部位を特定できます。
  • ・本研究成果はがん・認知症・糖尿病などの生活習慣病が発症する前に予防的な介入をする、という将来の先制医療に繋がると期待されます。また、感染症によって、心臓や脳などに深刻な障害が起きつつあるか、後遺症リスクがどの程度あるかを推定する重要な手法になると期待できます。

 

▶︎https://www.qst.go.jp/site/press/20210129.html

 

 酸化ストレスとは、生活習慣、病気の存在、ストレス、老化等の様々な原因により、体を傷つける活性酸素の産生が過剰となり、それを消去する抗酸化能とのバランスが崩れた状態をいいます。酸化ストレスは、炎症を伴う非常に多くの病気と関連し、例えば、感染症、がん、心筋梗塞、動脈硬化症、腎機能障害、また認知症、パーキンソン病、自閉症、うつ病などの脳疾患が酸化ストレスと関連していると言われています。こうした多くの病気から体を守るためには、酸化ストレスの状態を常に把握し、体のどこでバランスが崩れているかを知り、病気になる前に介入する必要があります。

 

掲載論文

Analytical Chemistry (ACS publication)

2019 Impact Factor: 6.785

2019 Total Citations: 140,785

 

Quantum sensors to track total redox-status and oxidative stress in cells and tissues using EPR, MRI and optical imaging

Dessislava Lazarova,2 Severina Semkova,3 Genoveva Zlateva,2 Higashi Tatsuya1, Ichio Aoki,1 Rumiana Bakalova,1,2*

1Department of Molecular Imaging and Theranostics, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology (QST/NIRS), 4-9-1 Anagawa, Inage-ku, Chiba 263-8555, Japan; 2Faculty of Medicine, Sofia University “St. Kliment Ohridski”, 1 Koziak Str., Sofia 1407, Bulgaria; 3Institute of Biophysics and Biomedical Engineering, Bulgarian Academy of Sciences, 21 Acad. G. Bonchev Str., Sofia 1113, Bulgaria.

 

DOI:  https://doi.org/10.1021/acs.analchem.0c04116

【量研】光とMRIを使い、生活習慣病や炎症から体を守る先制医療

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