作業療法士(OT)杉長彬先生-あなたの目標はどうすれば達成できますか?〜NLPをリハビリに〜第2回

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NLPの問題解決手法

杉長先生:私が精神科病院に勤めているのもあると思いますが、リハビリ以前の問題がすごくあるなというケースを多く経験しました。『何かをしましょう』ってなった時にそもそもその土台に乗っかっていかない人がいっぱいいる。

『やりたくない、私はいいです』みたいな。そうするといくらリハビリの技術を身につけたとしても、まず土俵に上がってくれないことには何も始まらないじゃないですか。

例えば看護師さんとかが協力的じゃなくて、看護師さんがリハビリ室に連れてきてくれなかったりすることもあるでしょ?

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それは、いかに自分にすごい腕があったとしても、看護師さんが協力的じゃなかったら…。今の時間だけ患者さんに『こうやっててくださいね』って言ってても、それ以外の時間で全く逆のことしてたりとか、リハビリの逆効果になったりもしますよね。

そういうリハビリ以前の問題が世の中にはすごくあると思ってて、コミュニケーションセミナーもやったらいいんじゃないかと思ってやり始めてましたね。

目標を達成するためには問題を解決しないとダメな場合もあるんだけど、目標を達成するために、どんな風にカウンセリングとか、言葉の使い方とか脳の使い方とかをして、目標達成に導いていく。そういう心理学なんですよね。

例えば目標ってありますか?

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インタビュアー:目標ですか?本当に患者さんのためになるようなPTになりたいです。

杉長先生:NLPだと、どういった状態が目の前にあった時に『私本当に患者さんのためになってるな』と思えますか?っていう事を聞きます。どんなイメージができますか?

インタビュアー:自分のイメージだと、患者さんが病院にまた帰ってこないで、普通に生活している…

杉長先生:それをどんな風に知りますか?

インタビュアー:ん〜…

杉長先生:また病院に帰って来ちゃう事を問題を意識するってことでしょ?それがないようにって思っても、それはイメージできない。また再入院しないようにって思うのはマイナスなイメージ、どっちかっていうと問題を意識してしまってるじゃないですか?

そうすると、どっちかというとモチベーションは上がらなくて、失敗したこと、うまくいかなかったことを意識しちゃうわけです。でも、上手くいったことを意識するっていうことは、自宅で上手くやれてることをイメージした方がいいわけですよ。

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そういうのが『目標を具体的にイメージする』っていうことなんですけど、どういうことを知ると『患者さんの役に立てたんだな』っ思えますか?

インタビュアー:なんですかね…ふと会った時…?

杉長先生:ふと外来であった時とか、訪問に行ってる看護師さんとかPTから『〜さん、病院でやってたことがすごく役に立ったよ』っていう声を聞くとか、そういうことをイメージしていく、イメージできるような話し方やカウンセリング、コミュニケーションをとっていく。

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はじめに言った「患者さんの役に立つためのセラピストになりたい」っていうのはすごくいいんだけど、すごく言葉だけな感じもするじゃないですか?それをそういう風に言ってる時と、自分が外来であった時に『ありがとう』って言われるのをイメージするのとどっちがモチベーションあがりますか?

インタビュアー:イメージする方です。

杉長先生:そういう言葉の使い方とかコミュニケーションのとりかたを行うのがNLPの考え方です。

患者さんにそういうことを意識してコミュニケーションをとるし、一緒に働くセラピストとか、学生さんとか同僚の人とかもそういう要素を入れて話をしています。

そういう風に目標を膨らませていくんだっていうコミュニケーションの取り方ってそんなに学校で習わなくて、問題について、問題の聞き取りとか問題を詳しく調べることについては、学校では習うと思います。さっき言った再入院しないためにはどうしたらいいかっていうことを調べていくやり方はもしかしたらいっぱい学ぶのかもしれないですね。

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『退院したらこういうリスクがあるかもしれないからこういうことを調べましょう』とか『再発作が出ないように食生活を気をつけましょう』とかいろいろあるじゃないですか?

だけど、どういう風になったら自分のやったことが成功と言えるのかなとか、そういうイメージの描き方、コミュニケーションの取り方ってあんまり自分は習わなかった気がします。それで、NLPっていう考え方を知った時に『これは面白いな』って思ったし、この業界で働く人にとっても使えるものじゃないかなと思って、やってるわけですよ。

《バックナンバー》

第1回:NLPって知っていますか?

第2回:NLPをリハビリに

第3回:精神科に来る患者さんの心理

最終回:精神科における依存の問題

 

杉長 彬先生 経歴

リハビリコミュニケーション研究所代表。
リハビリ職専門コミュニケーショントレーナー。
作業療法士。
NLPマスタープラクティショナー。

2006年、作業療法士免許取得後、埼玉県内の精神科病院に就職。
現在は病院併設の高齢者のデイケアの責任者として勤務。
1日平均150人以上、職員数40人以上の大規模なデイケアにて
NLPを応用したマネジメントを実践している。
2009年リハビリ業界において、コミュニケーション能力の必要性を実感し、NLP(神経言語プログラミング)を学び始める。

2010年NLPマスタープラクティショナーの資格を取得後、NLPの考え方と自身の経験を活かして、リハビリコミュニケーション研究所を立ち上げ、
2011年よりリハビリ職に特化したコミュニケーションのセミナーを行っている。
またリハビリ職向けのコミュニケーションのコツを伝えるリハビリコミュニケーション研究所podcastを月2回配信している。
ホームページ:リハビリコミュニケーション研究所 
リハビリコミュニケーション研究所podcast

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