【全4回シリーズ】変形性膝関節症▶︎https://knee-oa3.peatix.com/
Contents
1.半月板の機能と構造
2,半月板の移動量
3,半月板の血液供給
3.臨床的意義-半月板損傷-
4.半月板評価
5.参考文献
外側半月板(英語名:lateral meniscus)の機能と構造
LMの前角と後角は両方とも脛骨に付着します。LMはほぼ円形で、MMよりも脛骨関節面の大部分を覆っています。LMは、全体で幅が一定です。LMの後角は顆間隆起のすぐ後ろに前十字靭帯(以下ACL)が付着していることがあります。外側側副靭帯(以下LCL)へのLMの付着はありません。末梢の膝窩筋腱の領域には、LMが関節包に付着していない領域があります。この配置により、LMはMMよりも可動性が高くなり、LMがMMよりも裂けにくい理由の1つです。
半月板は、衝撃吸収において重要な役割を示しており、膝の衝撃を吸収できないと変形性関節症に影響を及ぼします。半月板は膝関節の栄養と潤滑にも役立つ可能性がありますが、正確なメカニズムはまだ比較的不明です。
内側半月板(英語名:medial meniscus)の機能と構造
MMは三日月形の線維軟骨帯であり、脛骨の内側顆と下方に、大腿骨の内側顆と上方に関節運動し、内側区画の接触部分の約60%を占めます。前角は脛骨のACLの前方に付着し、後角はPCLの前方に付着します。MM前部は、膝横靭帯によって固定されています。さらに、MMは内側側副靭帯(以下MCL)に付着し、その可動性を制限します。
半月板の移動量
外側半月板の移動量-荷重時-
前節部:後方へ9.5mm
中節部:外側へ3.7mm
後節部:後方へ5.6mm
内側半月板の移動量-荷重時-
前節部:後方へ7.1mm
中節部:外側へ3.6mm
後節部:後方へ3.9mm
半月板の血液供給
LMは、膝窩動脈から分岐する外側および中部の膝窩動脈から血液供給を受けますが、組織自体は比較的無血管です。LMの約10%から25%の末梢部のみが十分に血管新生されており、組織の残りの部分は、関節の運動中に拡散または機械的ポンピングを介して滑液から栄養を受け取ります。
MMは、主に内側、外側、および中間の膝窩動脈、大腿動脈の延長である膝窩動脈の枝から血管供給を受けます。これらの動脈によって形成された毛細血管網は、MMの上部と下部に供給されます。MMの10〜30%だけが直接血液供給を受けます。半月板の残りの部分は、滑液からの直接拡散または機械的運動を介して供給されます。MMの大部分への直接的な血液供給がないことは、断裂した半月板の治癒と術後の回復における課題の一因となっています。
半月板損傷
分類
半月板損傷の程度と重症度は、多くの場合、手術後の回復と、その後の膝関節の変性症状を示します。半月板損傷の分類は、解剖学的異常に応じて行うことができます。
垂直断裂:このタイプは、半月板に沿ってどこにでも発生する可能性があります。この断裂が広がると、バケツハンドル損傷となります。これにより、顆間スペースの間に挟まれる可能性のあるフラップが形成されることがよくあります。
水平断裂:この断裂は半月板の内側端から始まり、関節包に向かって続きます。
フラップ断裂:水平と垂直の複合した2種類の断裂がある状態です。
例外)円板状半月板::アジア系人種に多く、数%から16%と様々な報告があります。通常半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあり、三日月様の形をしていますが、この場合中央部も覆っており、ほぼ丸い厚みのある板状をしています。外側に生じます。
疫学
半月板損傷は、スポーツ損傷の結果としてアスリートによく見られ、スポーツ損傷の全症例の約15%を占めています。攻撃的なスポーツに関与しているため、男性によく見られます。男性は女性よりもバケツハンドルの病変を持っている可能性が高く、バケツハンドルの病変は外傷に関連しています。変性病変は、退化した半月板が軽度の外傷を伴う損傷を受けやすい高齢者(55歳以上)で観察されています。半月板の損傷は、10歳未満の子供では珍しい損傷です。
年齢間で半月板損傷のタイプ、場所に有意差はなく、さらに重要なことに、修復率は類似しています。青年は同時に靭帯損傷を起こす可能性が高い傾向にあります。子供の場合、複雑な損傷は男子に多く(32%対女の子の10%)高いBMIを持つ子供と関連しています。
外傷性半月板損傷
半月板病変を外傷性と定義するための2つの基準があります。①半月板組織は正常な肉眼的外観で健康である必要があり、膝の捻挫や強制運動などの膝の損傷であること。②垂直または縦方向の断裂であることです。
半月板損傷は、「正常な」半月板に加えられた過度な外力、または変性半月板に作用する正常な力のいずれかによるものです。傷害の最も一般的なメカニズムは、体重を支える膝を介した半屈曲した手足のねじれです。また、他の靭帯損傷、通常はACLおよびMCLに関連している可能性があります。
変性半月板損傷
変性半月板損傷の特徴をまとめると以下のようになります。
・外傷がない場合に発生。
・人の年齢と日常の活動による。
・男性は女性よりも退行性しやすい。
不幸の三兆候(=Unhappy Triad)
スポーツ障害における膝関節の外傷性損傷の中で、MM、ACL、MCLを複合的に損傷する状態のことを指します。通常の個別の損傷よりも、長期的なリハビリテーションが必要となり、1~2年かかると言われています。
半月板損傷手術
半月板損傷の外科的治療の目標は、痛みを和らげ、膝関節の変性を防ぎ、日常生活動作の改善を可能にすることです。半月板の完全な除去が関節炎の変化の増加につながる可能性があることが明らかになっています。半月板が受ける血液供給が限られているため、手術適応は半月板損傷の種類に依存します。フラップ損傷や変性損傷の場合、手術適応ではありません。
関節鏡による修復:関節鏡視下半月板修復は、若年者で有利であり、臨床的に重要な結果を示しています。関節鏡による修復では、半月板の断裂した部分を縫合糸で縫い合わせます。
移植:同種移植は、部分的または完全なMM切除術を受けた患者に使用されています。移植の適応症には、完全な半月板損傷を伴うMMコンパートメントの痛みが含まれます。
半月板損傷の評価
アプレー圧迫テスト
・うつ伏せで膝を90°屈曲。
・大腿部を検者の膝で固定します。
・下腿を上方に牽引。
・さらに内外旋を加えることで疼痛が誘発されると陽性。
アプレー牽引テスト
・うつ伏せで膝を90°屈曲。
・大腿部を検者の膝で固定します。
・下腿をベッドに対して垂直方向に圧迫。
・さらに内外旋を加えることで疼痛が誘発されると陽性。
マクマレーテスト
・仰向けになった状態で検者は膝を屈曲します。
・膝関節を術者の手で外反(外側→内側)ストレスをかけます。
・膝関節に外反ストレスをかけ続けたまま膝を伸展します。
・膝関節のロッキングや弾発音、疼痛発生で陽性(LM)
*MM損傷の場合は、内反(内側→外側)ストレスで同様のことを行う。
テッサリーテスト
・立位になり検査足で片足立ちとなる。
・検査足の膝関節を5°屈曲する。
・膝関節を曲げたまま、体を左右に捻り膝関節の内外旋を動的に行う。
・次に、膝関節を20°屈曲で同様に検査する。
・内外旋を行った時、膝関節のロッキングや弾発音、疼痛発生で陽性。
注)体を左右に捻るとき、つま先の方向は前方を向いたまま足の位置を動かさずに行う。
【全4回シリーズ】変形性膝関節症 〜病態と理学療法〜
膝痛専門のパーソナルトレーニングジムSOUND BODYは東京都羽村市という立地ながら、予約現在3ヶ月待ちの状態が続いています。今回のセミナーでは、このジムの代表であり理学療法士の福山先生をお呼びし、予約3ヶ月待ちの大人気パーソナルトレーニングで行われている膝関節に対する系統的アプローチ方法を全4回シリーズでお送りします。
※今回の募集は第一回目の単発受講と全4回シリーズのまとめチケットのみを販売しています。各回の単発受講は、遅くても開催月の1ヶ月前には募集を開始いたします。
第1回 6月29日(木)21時~
【変形性膝関節症〜病態と理学療法〜】
<学べること>
この講座では変形性膝関節症という診断に対して解剖学、力学的負荷、痛みの発生メカニズムを整理することで適切な評価、治療を学びます。変形性膝関節症と診断されても膝の痛みが軽減することは多々あると思います。つまり膝の変形が痛みを引き起こしているとは限らないということです。膝の痛みの原因が何で起こっているのか学んでいきます。
<プログラム>
⑴なぜ変形性膝関節症患者が
パーソナルトレーニングに流れているのか?
・弊ジムで来店される変形性膝関節症患者の特徴
年齢 性別 変形性膝関節症のグレード度 商圏
・病院と弊ジムとの違い
・最後の砦?
⑵痛みの発生メカニズム
・軟骨がすり減って痛みが発生しているのか?
・いつ介入すべき?急性疼痛と慢性疼痛の理解。
・力学的負荷を考える(内反、下腿外旋)
⑶痛みを発症しやすい部位の解剖学と改善方法
・膝蓋下脂肪体、驚足、半膜様筋、伏在神経、膝窩筋
各部位に対する有効なリリースとストレッチ
・エコーの見方
⑷自主練をやってもらう方法
・リハサクを使った介入
・やらないといけない環境づくり
・やっているか確認するフィードバック
お申し込み▶︎https://knee-oa.peatix.com/
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3161498/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8536047/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10067999/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1962712/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17202916/
1)Karachalios T, Hantes M, Zibis AH, Zachos V, Karantanas AH, Malizos KN. Diagnostic accuracy of a new clinical test (the Thessaly test) for early detection of meniscal tears. J Bone Joint Surg Am. 2005;87(5):955-962.
2)Decary, Simon, et al. "Reliability of physical examination tests for the diagnosis of knee disorders: evidence from a systematic review." Manual therapy 26 (2016): 172-182.
【全4回シリーズ】変形性膝関節症 〜慢性期における屈曲制限の解剖と運動療法〜
膝痛専門のパーソナルトレーニングジムSOUND BODYは東京都羽村市という立地ながら、予約現在3ヶ月待ちの状態が続いています。今回のセミナーでは、このジムの代表であり理学療法士の福山先生をお呼びし、予約3ヶ月待ちの大人気パーソナルトレーニングで行われている膝関節に対する系統的アプローチ方法を全4回シリーズでお送りします。
※今回の募集は第3回目の単発受講と全4回シリーズのまとめチケットのみを販売しています。各回の単発受講は、遅くても開催月の1ヶ月前には募集を開始いたします。
第1回 6月29日(木)21時~終了しました
第2回 8月31日 21時~終了しました
*これ以降のまとめ払いの場合、第1、2回目はアーカイブ配信のみとなります。
第3回 10月26日 21時~
【変形性膝関節症〜慢性期における屈曲制限の解剖と運動療法〜】
<学べること>
この講座では膝関節屈曲制限に対する因子、解剖学、評価と治療を学びます。膝関節の屈曲は日常生活に多々ある動作です。
階段昇降、正座、しゃがみ動作こららの動作を制限されるということは生活そのものが制限されるということになります。
<プログラム>
・屈曲制限因子と姿勢制御
・エコー診断
・解剖学
・評価と治療
お申し込み▶︎https://knee-oa3.peatix.com/