中心静脈栄養患者への嚥下リハ約9割未実施|入院医療等の中間とりまとめ

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8日入院医療等の調査・評価分科会で「中間とりまとめ(案)」を示し会合が行われた。

 

療養病棟入院基本料の「医療区分・ADL区分」について、主に中心静脈栄養をめぐる問題を記載。医療区分3の1項目に該当している患者の該当項目について「中心静脈栄養を実施している状態が最も多かった」とした。

 

しかしその上で、

・中心静脈栄養に該当する患者について、入院中の嚥下機能評価の有無をみたところ、 ありの割合は入院料1では 25.4%、入院料2では 32.6%、経過措置(注 11)では 0%であった。嚥下機能障害については、半数程度の患者が嚥下機能障害なしと評価 されていた。また、嚥下リハビリについては、約9割の患者で入院中に実施されたこ とがなかった。

・嚥下リハビリについては、脳血管疾患等リハビリテーションにおいて実施されている 場合も考慮するべきではないか、との指摘があった。

これについて、日本慢性期医療協会の井川誠一郎常任理事は、「当グループ病院のSTなどに聞いてみた。それを踏まえて、意見を述べたい」とし、以下の問題提起を行った。

・療養病棟に配置されているSTの数、それから看護師数、歯科衛生士数など、それに携わる人たちの数が少ない。ほかの業務に追われて、なかなかそこまで手が回らない。

・CV患者さんへのVE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造影検査)が実際にはできない場合がある。

・VEやVFに精通した医師が不足しており、しかも療養病棟におられる先生方がそれに対する抵抗をする。

・摂食機能療法の対象者は摂食機能障害者だが、厚労省が診療報酬で定めている定義が非常に狭い。

・摂食機能訓練は単位が30分であるという問題がある。

・摂食機能療法を実施したとしても、治療開始から3カ月が経過すると月4回しか算定できなくなる。

*摂食機能療法の対象となる患者の算定要件:

摂食機能障害者とは、「発達遅滞、顎切除及び舌切除の手術又は脳血管疾患等による後遺症により摂食機能に障害があるもの、及び他に内視鏡下嚥下機能検査、嚥下造影によって他覚的に嚥下機能の低下が確認できる患者であって、医学的に摂食機能療法の有効性が期待できるものをいう」

 

▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128166.html

中心静脈栄養患者への嚥下リハ約9割未実施|入院医療等の中間とりまとめ

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