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【福井勉先生|理学療法士】二人のライバルと高めあったオリジナリティー

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山嵜先生に「お前の患者さんよくなっていないぞ」と怒られた

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11年目の時にターニングポイントがありました。短大の助手から臨床に戻って整形班の班長になったんだけど、その時に後輩から聞かれても分からないことが多くてこのままではいけないと思いました。



一緒にいた入谷先生はインソールできっかけを掴んでいて、山口先生はプロ野球選手をみていて。自分には何もないなと思ってました。その頃、患者さんをよく出来ていないのがわかっていましたし、上司の山㟢先生にも怒られていました。「お前の患者さんよくなっていない」と。


また、どうやって自分の気持ちを持ち上げた方が良いのかもわかりませんでした。今の若い人もそういうことに悩みを持っている人が多いのではないかと思っています。


そういう時は色々な本を読むんですが、本を読んで患者さんがよくなる実感がないんです。本を読む前は何かそこに書いてあるんじゃないか、自分が少しはましになるんじゃないかという期待がありますよね。

 

でもすぐにはよくなる実感がない。それで本を読むスタイルを変えなければいけないと思ったんです。変えるためには今までのやり方ではいけないとも思いました。そう思うと自分で考えなければいけないと思いました。


その頃はノートに患者さんの姿勢を書いて「なんだろう」と考えたりしてたんです 。自分で考えた事を先輩に聞いても、先輩もよくわからない。テクニック系の本を読んでも、その考えが安定してるように思えなかったんです。
 

自分で気がつく事があると楽しいなと思えてきました。ただそれがすぐ治療にどうだとかではなくて、こうなっている場合は患者さんがこうなっているという事実があってそれを確かめると少し違ってきたんです。

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だったらこうすれば良いんじゃないかと思って新しい事を始めたら上手くいくようになってきました。その頃は動くものを目で観察して紙に書いて分析することをよくやっていました。

分析した結果をもとにを患者さんに「こういう風にやってみて下さい」と言うとうまく行くことが多くなってきました。それを繰り返しているうちに、だんだん自信がついてきて面白くなってきました。

 

その後に前に全く読んで理解できなかった『ライト・イン・ザ・ミドル 』という本が分かるようになっていました。なんで分かるようになったのか、なんで今までわからなかったのかを考えました。

 


そのノートを先輩に見せたら、外で発表しろと言われ、「整形外科理学療法の理論と技術」に書いてあるような内容を話すようになりました。

 

二人のライバルと高め合ったオリジナリティー


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その頃になると山口先生は肩、入谷先生は足、私は動作解析を重点に行っていました。

この2人にはどこか負けたくないという気持ちがありましたよ。直接二人に話した事はありませんが、2人とも同じように思っていたと他の人から聞いた事があります。

山㟢先生に誰かがやっている事はダメだと常に言われてきたのが染み付いていて、私は今もそれは大事だと思っています。


入谷先生がインソールをやってきていたのをみてきて、、相当オリジナリティが高いなと感じていました。また山口先生の方についても同じように思っていました。この2人は自分たちで考える事や何か作り出す事が好きなんだなとも思っていました。


それから3人バラバラで働くようになって感じた事は、意外とそういう風にする人はいないんだと感じました。


山㟢先生が引退する時に本を出す事が決まって、今までのノートやほかの人のカルテを見る機会があったんだけど、自分が考えたことと同じようなことを病院の他の人が考えていることがわかって、驚いたり安心したりしましたね。


実は、入谷先生と私の考えが逆の事がよくあって。でも自分の考えた事も入谷先生の考えた事も間違いだと思う事はなかったんです。でもなんでか考えているうちに結局だんだんと同じようになっていきました。

 

 *目次

【第一回】道のはじまり

【第二回】二人のライバルと高めあったオリジナリティ

【第三回】海外と比較した日本の理学療法士界事情

【第四回】「自信がない。」若手療法士の不安に対して

【第五回】福井先生にとってのプロフェッショナルとは?

 

福井勉先生

文京学院大学保健医療技術学部  教授
文京学院大学大学院保健医療科学研究科
スポーツマネジメント研究所 所長

[経歴]
昭和大学藤が丘病院、東京都立医療技術短期大学、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院主任、昭和大学医療短期大学助教授,昭和大学保健医療技術学部助教授を経て現在に至る。

昭和大学客員教授,茨城県立医療大学非常勤講師

[著書]
整形外科理学療法の理論と技術
ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術
皮膚運動学―機能と治療の考え方
皮膚テーピング〜皮膚運動学の臨床応用〜 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ)
結果の出せる整形外科理学療法−運動連鎖から全身をみる
姿勢調節障害の理学療法 第2版
外来整形外科のための退行変性疾患の理学療法
二関節筋―運動制御とリハビリテーション
ザ・シリーズ ザ・歩行 第1版
消っして忘れない運動学要点整理ノート (PT・OT必修シリーズ)
復帰をめざすスポーツ整形外科
スポーツ傷害の理学療法 第2版 (理学療法MOOK 9)


他多数

 

[論文]
In which direction does skin move during joint movement? (Skin Research and Technology,2015) An Educational Visual Material for Joint Moments in Evaluation of Posture and Movement.(WCPT),The relationship between Hip-Knee Joint Moments and Pelvic Tilt during Squatting.(WCPT),The relationship between saggital and frontal moment of the hip during pelvic sway movement.(ISB),Pelvic movement pattern during squatting(ISEK),筋・腱付着部損傷の治療―リハビリテーション―(MB Orthopaedics、2014),皮膚運動学の応用(臨床スポーツ医学,2014),鼠径部・股関節周囲筋のstiffnessに対するアプローチ(臨床スポーツ医学,2014).姿勢の標準化に関係する研究(NSCA学会誌、2014),.姿勢の非対称性が頸椎の回旋に及ぼす影響(理学療法科学,2012),呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性(理学療法科学、2012),スポーツ活動における運動連鎖について(Medical Rehabilitation,2011),膝スポーツ外傷・障害 姿勢動作から見る身体重心と筋負担(sportsmedicine,2010),基本動作の生体力学と臨床への応用のポイント(理学療法,2010) 姿勢保持とバイオメカニクス(総合リハビリテーション,2008)腰痛予防のコンディショニング(臨床スポーツ医学,2007)姿勢のバイオメカニクス(理学療法、2007) 関節病態運動学と姿勢制御(理学療法,2006)姿勢・動作分析における身体重心点の視覚的評価の検討(理学療法学,2006)姿勢制御について(理学療法―臨床・研究・教育,2006),外反母趾患者の運動機能病態の力学的計測と解析(バイオメカニズム学会誌,2005)運動器疾患領域における理学療法実践モデル(理学療法ジャーナル,2004),変形性膝関節症の運動力学的解析(昭和医会誌,2003),膝関節疾患の動作分析(理学療法科学,2003),スポーツ傷害と筋力(理学療法科学,2003),立位動作における下肢関節モーメント(臨床バイオメカニクス,2002),変形性膝関節症の病気別理学療法ガイドライン(理学療法,2002),EBP in physical therapy 運動器疾患の理学療法(理学療法ジャーナル,2001),大腰筋機能の臨床的考察(バイオメカニズム学会誌,2000),力学的臨床理学療法(近畿理学療法士学会誌,2000),力学的平衡理論,力学的平衡訓練(理学療法ジャーナル,1999),スポーツ傷害の治療(下肢)(理学療法科学,1998)身体平衡と動作分析(全国労災病院リハビリテーション技師会学術誌,1998),動作分析と運動連鎖(理学療法ジャーナル,1998),下肢スポーツ障害に対する生体力学的アプローチ(理学療法,1997),ジャンパー膝,Osgood-Scalatter病に対する運動療法(関節外科,1996),下肢支持モーメントと床反力垂直分力の関係についての検討(日本臨床バイオメカニクス学会誌,1996),ジャンパー膝に対する保存療法,Monthly orthopaedics別冊,1996),肩関節周辺疼痛の評価,(理学療法ジャーナル,1995),スポーツ障害への運動コントロールと運動学習理論の応用,(理学療法ジャーナル,1995),スクワットにおける足関節可動制限が膝関節モーメントに及ぼす影響(体力科学,1994),下肢荷重連鎖の運動力学(理学療法,1995),慣性モーメント操作による骨盤回旋誘導の試み(理学療法ジャーナル,1995)膝関節固定下における身体運動が脛骨前方移動に及ぼす影響前十字靭帯機能の関与を中心として,(昭和医学会雑誌,1994),膝関節障害力学的平衡理論からみた膝関節障害(理学療法学,1994),運動学習の運動療法への応用(理学療法,1994),膝前後動揺性と床反力前後分力の関係について(日本臨床バイオメカニクス学会誌,1993),陳旧性前十字靭帯損傷膝のpivot shift test時における前後不安定性の検討(日本臨床バイオメカニクス学会誌,1993),膝蓋骨脱臼・亜脱臼に対するLATERAL RELEASE(臨床スポーツ医学,1993),膝関節運動療法のバイオメカニクス,(別冊整形外科,1993),膝前十字靭帯再建術後の早期理学療法について,(別冊整形外科,1993),足部骨折術後の早期理学療法(理学療法,1992),膝軟部組織疾患術後の早期理学療法(理学療法,1992),下肢の回旋運動とステップについて(Sportsmedicine,1991),骨関節疾患と運動療法:下肢回旋機能に着目して(理学療法学,1991),等速性収縮における表面筋電図周波数解析(東京都立医療技術短期大学紀要,1989)習熟理論の歩行への応用(理学療法学,1988),脛骨大腿関節のバイオメカニクス(理学療法学,1988),その他

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