週の真ん中水曜日の江原です。前回の続き、リハビリ臨床におけるモチベーションアップについて書いています。簡単に復習すると、行動の理由や目的のことを『動機』と言い、行動を起こさせてある目標へと行動を向かわせ行動を続けさせようとする心の働きのことを『動機づけ』と言います。
生理的欲求などのその人の内部から行動を起こそうとする『動因』と、外部からの要因によって行動が引き起こされる『誘因』によって成立します。動機付けの種類には、内発的動機付け、外発的動機付け、達成動機付けがあります。
内発的動機付けで行動が維持されているときに余計な外的報酬を与えてしまうと動機づけが低下する現象を、アンダーマイニング効果と呼ばれています。以上が先週の内容でした。
動機付けが低下した患者への対応
動作獲得によるADLの自立がゴールの患者に、セラピストが伝えるアドバイスに従わない場合に、非協力的であると感じるかもしれません。しかし、障害を負い喪失感の中にある患者にとってはこれから何をしたらよいのかを考えられない状態であり動機づけが低い状態と考えられます。先週の内容を含めて考えれば、動機づけが低い患者にもできることはまだまだ残されています。
理学療法評価と同様に、動機づけが低下している原因について患者本人や環境から情報を集めて検討していくことが、非協力的と感じてしまう行動を変えるヒントになるのではないでしょうか?
慢性疼痛患者をイメージしながら、動機づけ低下の原因と対応を考えてみましょう。