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心血管疾患患者に対して、皮膚に貼るだけで汗の乳酸値を測定できるバイオセンサを用いた新しい運動評価法の開発-医師主導治験の結果、主要評価項目を達成(有効性を確認)-

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慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの勝俣良紀専任講師、佐藤和毅教授と、株式会社グレースイメージング(代表取締役 CEO 中島大輔)の共同研究グループは、心疾患患者の心肺運動負荷試験中(注 1)に汗乳酸センサを用いて汗中の乳酸値を連続モニタリングすることで嫌気性代謝閾値(AT:心臓リハビリテーションの運動処方の重要な指標)を推定することが可能かどうかを検証する医師主導治験(注 2)(治験実施計画書番号:LacS-001;jRCT2032220057)を行い、有効性の評価である主要評価項目を達成しました。

 

医師主導治験の背景と概要

昨今生体に対するバイオセンサを用いたさまざまな研究開発がアカデミアおよび企業において行われており、医療においても応用が期待されています。我々は皮膚にバイオセンサを貼付することで連続的かつ非侵襲的に痛みを伴わずに乳酸値(運動負荷が強くなると産生される物質)が測定できるウェアラブル機器(汗乳酸センサ)を開発しました(図 1)。適切な強度の運動(有酸素運動)は心疾患発症や悪化を予防し、質の高い生活をより長く続けるために重要とされています。そこで、本治験では、心血管疾患患者において本機器がきちんと作動し、有酸素運動がどのレベルかを評価できるか検証しました。

 

医師主導治験の成果と意義・今後の展開

本治験では、汗中乳酸値の測定から得られた汗乳酸性代謝閾値で嫌気性代謝閾値(AT)を推定できることが示され、主要評価項目を達成し、有効性を確認しました。この方法は従来の呼気ガス分析と比べてより簡便であり、高価な機械も要しません。このようなシステムを利用することで心疾患患者のリハビリテーションが適切に実施され、より多くの患者に、運動療法が普及する可能性を秘めていると考えられます。

共同研究グループは、引き続き当機器の医療機器製造販売承認を目指し開発を進めてまいります。

【図 1】汗乳酸センサで測定した結果をリアルタイムにウェアラブルデバイス等で確認する

 

特記事項

共同研究グループは、東京都先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)の支援によって本治験を行いました。

 

【用語解説】

(注 1)心肺運動負荷試験: 徐々に負荷量が大きくなる運動負荷を行い、運動中の呼気の酸素、二酸化炭素、換気量を評価することで、心不全の重症度や予後、心臓リハビリテーションにおける運動療法の目安を評価するために施行する試験。

(注 2)医師主導治験:未承認の医薬品や医療機器等の安全性・有効性を確認する治験のうち、製薬企業でなく医師が企画・実行するもの。

詳細▶︎https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/2/24/28-135585/

注)プレスリリースで紹介している論文の多くは、単純論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎました。 、さらに研究や実験を進める必要があります。 、専門家の指導を受けるなど十分に配慮するようにしてください。

心血管疾患患者に対して、皮膚に貼るだけで汗の乳酸値を測定できるバイオセンサを用いた新しい運動評価法の開発-医師主導治験の結果、主要評価項目を達成(有効性を確認)-

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