前回、前々回と話題になるかと思って書いた「ChatGPTに相談してみたシリーズ」特に大きな反響もなく第3回目を迎えます。今回は、個人的にとても困っているぎっくり腰後の腰痛に関して相棒(ChatGPT)に相談してみました。現状でChatGPTが臨床においてどの程度活用できるのか?参考になれば幸いです。
私は医療専門家ではありませんが、ぎっくり腰からの痛みが残存している場合、以下のような一般的な対処法が考えられます。
1. 医師の診断
まず最初に、専門の医師に診てもらうことが重要です。痛みの原因や状態を正確に把握するためには、専門家の診断が必要です。2. 理学療法
医師の指示に基づいて、理学療法士によるリハビリテーションが推奨される場合があります。特定のエクササイズやストレッチが痛みの軽減に役立つことがあります。3. 薬物療法
痛みを和らげるために、医師が処方する薬があります。ただし、長期間の使用は副作用がある場合がありますので、医師の指示に従ってください。4. 生活習慣の見直し
体重が重いと腰に負担がかかりますので、適切な体重を維持することが重要です。また、正しい姿勢を保つことも腰痛の予防に役立ちます。5. 定期的なフォローアップ
痛みが残存している場合、定期的に医師に診てもらい、状態を把握することが重要です。以上のような対処法が一般的ですが、個々の症状や状態によっては異なる治療が必要な場合もあります。必ず医師の診断と指示に従ってください。
私は医療専門家ではありませんが、理学療法士の観点から考えると、以下のような評価が考えられます。ただし、これは一般的なガイドラインであり、専門家の診断と指導が必要です。
1,筋肉の評価
1)筋力テスト: 特定の筋肉群の力を測定します。
2)筋柔軟性テスト: 筋肉の柔軟性を評価します。
3)筋トリガーポイントの確認: 筋肉に硬い部分や痛みを引き起こすポイントがないか確認します。
2,関節の評価
1)可動域テスト: 関節が正常に動くか、制限があるかを確認します。
2)関節の安定性: 関節が不安定でないか、特定の動きで痛みが出るかを確認します。
3,神経系の評価
1)神経伝導テスト: 神経が正常に働いているかを確認します。
1)感覚テスト: 痛み、しびれ、熱感などの感覚異常がないかを確認します。
4,その他の評価
1)姿勢分析: 立っている、座っている、歩いているときの姿勢を評価します。
2)機能的動作評価: 日常生活での動作(座る、立つ、歩くなど)を評価します。
これらの評価を通じて、筋肉、関節、神経のどの部分に問題があるのかを特定できる可能性があります。その後、専門家が適切な治療計画を立てることができます。
筋力テスト: 特定の筋肉群の力を測定します。
→特別筋力が弱まっているものはありませんでした。
筋柔軟性テスト: 筋肉の柔軟性を評価します。
→柔軟性の問題も確認できませんでした。
筋トリガーポイントの確認: 筋肉に硬い部分や痛みを引き起こすポイントがないか確認します。
→左の脊柱起立筋(特にTh12レベル)にトリガーポイントを確認しました。また、左の腰方形筋においても左骨盤方向(腸骨稜にむかって)へ下方に伸びるように放散痛を感じます。
関節の評価
可動域テスト: 関節が正常に動くか、制限があるかを確認します。
→腰椎伸展のときには痛みを感じませんが、腰椎左回旋を伴った伸展では腰部左側に痛みを感じます。
関節の安定性: 関節が不安定でないか、特定の動きで痛みが出るかを確認します。
→腰椎に対して腹部方向に垂直圧迫しても痛みは再現されませんでした。
神経系の評価
神経伝導テスト: 神経が正常に働いているかを確認します。
→腱反射など異常は見られませんでした。
感覚テスト: 痛み、しびれ、熱感などの感覚異常がないかを確認します。
→異常感覚に関しても確認できませんでした。
その他の評価
姿勢分析: 立っている、座っている、歩いているときの姿勢を評価します。
→立っている姿勢においては左のかかとに重心があるように見えます。なおかつ、体幹が右に回旋しているように観察されます。座っているときも左のお尻に特に体重がかかっているように感じます。
機能的動作評価: 日常生活での動作(座る、立つ、歩くなど)を評価します。
→動作時の痛みは特に感じていません。
わかりました。これまでの流れを加味してまとめてみます。
はじめに
腰痛は多くの人々が経験する一般的な健康問題です。この記事では、特定の患者さん(以下、患者Aとします)の腰痛の発生状況から評価、その結果からの考察、そして考察に対して行われる理学療法までの一連の流れについて解説します。
患者Aの腰痛の発生状況
患者Aは3か月前にぎっくり腰を経験し、その後もわずかな痛みが残っています。特に長時間座っていると腰が丸まり、その状態から腰を伸ばすのが難しくなると報告しています。
評価手法と結果
筋力テスト:特定の筋肉群の力を測定しましたが、特別筋力が弱まっているものはありませんでした。
筋柔軟性テスト:筋肉の柔軟性を評価しましたが、柔軟性の問題も確認できませんでした。
筋トリガーポイントの確認:左の脊柱起立筋(特にTh12レベル)にトリガーポイントを確認しました。
関節の評価:腰椎伸展のときには痛みを感じませんが、腰椎左回旋を伴った伸展では腰部左側に痛みを感じました。
神経系の評価:神経伝導テストや感覚テストで異常は見られませんでした。
姿勢分析:立っている姿勢においては左のかかとに重心があるように見えました。
考察
評価結果から、患者Aの腰痛は主に筋肉と関節、特に左側の筋肉と関節に問題がある可能性が高いと判断されました。
理学療法での治療手法
筋膜リリース:特に左の脊柱起立筋にトリガーポイントが確認されたため、筋膜リリースが行われます。
姿勢矯正:左側に重心が偏っているため、姿勢矯正が行われます。
疼痛管理:腰椎左回旋を伴った伸展で痛みが出るため、冷却療法や温熱療法が選択されます。
まとめ
患者Aのケースを通じて、腰痛の評価と治療の一連の流れを理解することができました。個々の症状に合わせて最適な治療が行われることが重要です。
参考文献(記載された文献名が正しいものではないためおそらく参考にしたであろう論文のURLに書き換えました)
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27408698/
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29573872/
・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5687927/
一旦ここまでが、ChatGPTで行える最低限の提案でした。実際には、もう少し細かい指示を具体的に行っていますが、筋の機能障害が原因と考えられた場合のアプローチ方法は基本選択として筋膜リリースの提案が多い印象です。おそらく、「筋膜リリース以外で」「〇〇法で」など細かい指示によって得られる回答は大きく異なります。追加で症状を加えてみました。
左の僧帽筋に強い伸長痛を感じるとのこと、これは非常に重要な情報です。ただし、私は医療専門家ではありませんので、以下の評価方法は一般的なガイドラインとしてご参考にしてください。
追加で行うべき評価
1,筋膜リリースの評価: 筋膜が硬くなっている可能性も考慮に入れ、特定の筋膜リリーステクニックが効果的かどうかを評価します。
2,上肢神経テンションテスト(ULTT): 首や肩に痛みがある場合、神経が関与している可能性もあります。ULTTは、特定の神経が問題を引き起こしているかを評価するテストです。
3,動的平衡とコーディネーションの評価: 体の左右のバランスやコーディネーションが崩れている可能性もあります。特定の動作やエクササイズでのバランスを評価します。
4,筋バランステスト: 筋力の偏りが体のバランスを崩している可能性があります。例えば、僧帽筋と対立する筋肉(例:前鋸筋)のバランスを評価します。
5,痛みのトリガーとなる動作や姿勢の特定: 痛みが出る特定の動作や姿勢があれば、それを特定し、その原因を探ります。
6,生活習慣の評価: 睡眠、食事、ストレスなども痛みに影響を与える可能性があります。
7,全身のアライメント評価: 足、膝、腰、背中、首といった全身のアライメントを評価し、どの部分が問題を引き起こしているのかを探ります。
これらの評価を通じて、より詳細な原因を特定できる可能性があります。その後、専門家が適切な治療計画を立てることができるでしょう。
上肢神経テンションテスト(ULTT)1で伸長感と広背筋部に痛みを感じたとのことですが、これは神経系が関与している可能性を示しているかもしれません。ULTTは主に上肢の神経経路に問題があるかどうかを評価するテストですが、広背筋部に痛みを感じるというのは興味深い結果です。
考察
1,神経の伸張: ULTT1で伸長感を感じたということは、特定の神経(おそらく正中神経)が緊張している可能性があります。
2,広背筋の関与: 広背筋部に痛みを感じるということは、この筋肉が何らかの形で神経経路に影響を与えている可能性があります。
3,全体的な体のバランス: 以前にも触れましたが、体の左右のバランスや姿勢が崩れている可能性も考慮に入れるべきです。
次のステップ
1,専門家の診断: この結果は必ず専門家に相談してください。より詳細な神経学的評価が必要かもしれません。
2,筋肉と神経の関係の評価: 広背筋と神経経路との関係を詳しく調査することが有用かもしれません。
3,治療計画の見直し: これらの新たな情報に基づいて、治療計画を見直す可能性があります。
広背筋(latissimus dorsi)は主に胸郭神経(thoracodorsal nerve)によって支配されています。この神経は、腋窩神経叢(axillary plexus)から派生しています。胸郭神経はC6、C7、C8の脊髄神経から成る神経線維を含んでいます。広背筋は、上肢を内転、内旋、および後方に引く動作に関与しています。この筋肉が緊張したり、何らかの問題を起こしている場合、それが神経に影響を与える可能性も考えられます。
胸郭神経(thoracodorsal nerve)と正中神経(median nerve)は異なる神経経路に属していますが、両者は腋窩神経叢(axillary plexus)という共通の神経ネットワークに繋がっている点で関連性があります。
胸郭神経(Thoracodorsal Nerve)
・支配筋肉: 主に広背筋(latissimus dorsi)
・由来: 腋窩神経叢
・関連する脊髄神経: C6, C7, C8
正中神経(Median Nerve)
・支配筋肉: 主に前腕と手の一部の筋肉
・由来: 腋窩神経叢
・関連する脊髄神経: C5, C6, C7, C8, T1
関係性
・共通の起源: 両者は腋窩神経叢から派生しています。この神経叢は、C5からT1までの脊髄神経から形成されています。
・神経の交通: 腋窩神経叢内で神経線維が交錯することがあり、これが一方の神経が影響を受けた場合に他方にも影響を与える可能性を生むことがあります。
ただし、これらの神経は主に異なる筋肉群を支配しているため、通常は互いに独立して機能します。したがって、一方の神経に問題がある場合でも、他方に自動的に影響が出るわけではありません。
腰痛と腋窩神経叢に関連する問題は、一見すると異なる部位に関わる問題のように思えますが、実際にはいくつかの共通点が考えられます。
共通点
1,神経系の関与: 両方の問題で神経系が関与している可能性があります。ULTT1での結果は、特定の神経経路に問題がある可能性を示しています。腰痛も、神経根の圧迫や炎症が関与することが多いです。
2,筋肉と筋膜の緊張: 腰痛で筋肉や筋膜が硬くなっている場合、それが上半身や腋窩神経叢にも影響を与える可能性があります。
3,姿勢と体のバランス: 腰痛があると、それを緩和するために体が不自然な姿勢をとることがあります。これが上半身に影響を与え、腋窩神経叢に負担をかける可能性があります。
4,日常生活や動作の影響: 腰痛と腋窩神経叢の問題は、どちらも日常生活の動作に影響を与える可能性があります。
5,多職種の協力が必要: これらの複雑な問題を解決するには、理学療法士、医師、作業療法士など、多職種の専門家との連携が必要です。
このような共通点を考慮すると、一つ一つの問題を孤立して考えるのではなく、全体としての体のバランスや機能に注目したアプローチが有効である可能性が高いです。
どういたしまして。何かお役に立てたようで良かったです。これからも何かご質問やお困りの点があれば、どうぞお知らせください。よい一日をお過ごしください。
今回はChat GPTの臨床活用を模索すべく、自身の腰痛に対して原因の追求と改善方法の提案を試みました。結論としては、理学療法士を代替するような能力はまだ足りないかなと思います。どちらかといいえば、忘れた知識を検索する程度の利用であれば活用しやすいと感じます。また、多くの質問を投げかけて分かった事実を以下に列挙してみます。
・Chat GPTへの指令は細かい条件設定が重要となる。
・いくつかの条件設定を重ねていくと、最初に行った条件設定を忘れることがある。
・命令の中で「ありがとう」「素晴らしい回答です」というフィードバックを行うことで、こちらの意図を学習してくれる。
・独立して理学療法士の代替となるような能力はまだなく、若干の補完能力に止まっている。
・論文の紹介はかなり適当。題名等も記載してくれるが、一部異なっている面が多いので再検索が必要。
上記のことを加味すると、Chat GPTの臨床活用は、活用者の臨床能力、知識、経験に依存すると考えられます。我々療法士が楽できる時代はもう少し先のようです。
【目次】
・ChatGPTにキャリア相談してみた|もしあなたが理学療法士だったら?
・ある職能団体の組織率低下を ChatGPTに相談してみた|どうやったら入会率が高まる?
・ぎっくり腰後の腰痛が長引いているのでChatGPTに相談してみた|腰痛いんだけど何が原因?