皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。前回はパーキンソン病の基礎として疫学・症状・予後について解説しました。本日はパーキンソン病の各論として嚥下障害について解説していきます。
パーキンソン病の復習
パーキンソン病は黒質の細胞が変性することにより、ドパミン産生が低下し、スムーズに体を動かせなくなる神経変性疾患です1)。症状に関しては安静時振戦、固縮、無動、姿勢保持障害の4兆候が運動兆候であり、運動兆候以外にもレム睡眠行動異常、自律神経機能障害、嗅覚障害、抑うつ、傾眠などが挙げられます2)。
近年は高齢化により「パーキンソン病パンデミック」とも呼ばれています。世界的に有病率が増えており、1990年から2015年に倍増しています。また、2040年までにはさらに倍増し、13人/100万まで増加すると考えられています3)。日本でも増加が見込まれるため、パーキンソン病の知識は非常に重要になります。