熊本県熊本市北区にあるリハビリセンターSmile-スミレ-では、「しっかりと、実感できる運動空間」をコンセプトにPTや生活相談員、インストラクターが各々の特徴を生かしながらご利用者の目標達成に向けてサービスを提供している。リハビリ特化型半日デイサービスです。今回はフィットネスインストラクターとして活躍する山口さんにスミレで働く上で大切にしていること、スミレの働くことの魅力についてお話を伺いました。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。山口さんはEMIASでのインストラクターとして、利用者さんとの向き合い方を長く続けてこられていますが、まず、その向き合い方で大切にしている部分についてお伺いできますか?
ありがとうございます。私が特に大切にしているのは、スミレでのたった3時間の中で、いかに利用者さんに「楽しかった」「また来たい」と感じてもらえるかということです。
スミレでは午前と午後のそれぞれ3時間のプログラムがあるのですが、その短い時間を利用者さんが有意義に感じ、次の利用日を楽しみにしてもらえるように関わることを心がけています。
たった3時間の中で利用者さんに楽しさを提供するというのは、確かに難しい挑戦だと思いますが、最初からそのように感じていらっしゃいましたか?
入社した当初は、利用者さんに「楽しみ」を提供するという考え方自体がなかなか難しいと感じていました。
ご利用者の人数も今より少なく、特に運動が得意でない方や、ご家族の希望でスミレを利用されている方が多かったため、「何をしに来ているんだろう?」と感じてしまう方も少なくありませんでした。
でも、徐々に「運動して気持ちよくなった」「日常のストレスが軽くなった」と感じてもらえることを大切にするようになりました。それが「楽しみ」に繋がり、スミレをまた利用したいと思ってもらえるように工夫してきました。
最初は身体的な運動に焦点を当てていたけれど、そこから内面的な部分にも寄り添うようになったということですね。それはいつ頃からそういった変化を感じるようになったのでしょうか?
そうですね、具体的なタイミングは覚えていませんが、自分の業務に慣れてくるにつれて、利用者さん目線で物事を考えられるようになったことが大きいです。
最初はどうしても「自分がやらなければならないこと」に追われていましたが、次第に、利用者さんがどう感じているかを意識するようになりました。
また、ヨガのレッスンや運動だけでなく、日常生活や家庭での話を聞かせてもらう機会が増え、それが内面的なケアに繋がるようになったんです。
日常生活や家庭での話を聞くことで、より深く利用者さんと関わるようになったんですね。一方で、山口さんは多くの利用者さんと接する中で、忙しさを感じることもあると思いますが、どのようにその忙しさを乗り越えているのでしょうか?
確かに忙しいですね。でも、やはり「慣れ」が大きいです。
9年もこの仕事を続けていると、自然と視野が広がり、忙しい中でも一人ひとりにしっかりと向き合えるようになってきます。
ただし、慣れすぎて流れ作業にならないようには常に気をつけています。どんなに忙しくても、利用者さんの一人ひとりに真剣に向き合うことが大切だと思っています。
経験を積むことで、より深く利用者さんと向き合えるようになるんですね。山口さんがEMIASで特に大切にしている「明日に笑みを」や「その人らしい人生の支援」といった理念を体現できたと感じる、特に印象的なエピソードはありますか?
そうですね、たくさんのエピソードがあるのですが、特に印象に残っているのは、ある利用者さんのご主人が亡くなられた後、その奥さんがスミレを利用されるようになった時のことです。
ご主人はスミレをとても楽しんでおられたそうで、その奥さんが片付けの際に見つけたスミレスタッフの名刺やメモを持ってきてくださったんです。
メモには、スミレでの運動の内容や、スタッフとの会話が細かく書かれていて、それを見た瞬間、胸が熱くなりました。
それはとても感動的ですね。ご主人がスミレでの時間を本当に楽しんでいらっしゃったことが伝わります。
そうなんです。その時に、「この仕事をしていてよかった」と心から感じました。ご主人にとって、スミレが単なるリハビリの場ではなく、楽しみの一つだったんだと実感しました。
そんなふうに、一人ひとりの利用者さんに寄り添うことができていたんだなと感じると、本当に嬉しかったです。
そのように利用者さんの人生に深く関わることができるのは、まさに「その人らしさを支える」ケアの一環ですね。では、次にスタッフとの関わりについてお伺いしたいのですが、山口さんはリーダーとしてスタッフに対してどのような点を大切にされていますか?
スタッフには、単に指示を出すだけではなく、その意味や目的をしっかりと伝えることを大切にしています。
例えば「これをやっておいて」と言うだけではなく、「なぜこれが必要なのか」「どうしてこうするのか」を丁寧に説明するようにしています。
特に新人のスタッフは、業務をタスクとしてこなすだけではなく、その背景や意義を理解することで、次のステップに繋げてもらいたいと思っています。
意味や目的を伝えることで、スタッフが業務の意義を理解しやすくなるということですね。リーダーとして、そういった丁寧な指導をされる中で、どのような姿勢をスタッフに求めていますか?
やはり「考えること」が大切だと思います。自分で考え、行動できるようにサポートすることが私の役割だと考えています。
もちろん、最初から全てができるわけではないので、意味や目的を伝えながら、スタッフが自分の意志で動けるようになることを目指しています。
スタッフの成長を促すために、リーダーとしての役割をしっかりと果たしていらっしゃるのですね。最後に、EMIASやスミレの今後について、どのようなビジョンをお持ちですか?
EMIASは11年前にスタートし、当時は職員が12名ほどでしたが、今では60名を超える規模に成長しました。
会社が大きくなると、多様な意見が出てきますが、これまで大切にしてきた「その人らしい人生の支援」や「明日に笑みを」という理念を引き継いでいきたいです。
また、インストラクター部門の強化にも力を入れ、もっと多くの利用者さんにスミレを利用してもらえるようにしていきたいですね。
EMIASがこれからも成長し続けるために、山口さんの役割が非常に大きいことがわかります。今日は本当にありがとうございました。
今回は、EMIASグループのリハビリセンターsmile光の森で活躍している山口さんの日頃考えている「ありたい姿」についてのインタビューをお届けしました。「地域の明日を笑みに変える」をテーマに地域に根付いた活動をしているEMIASグループ。今後もEMIASで活躍するスタッフに聞いてみた「ありたい姿」についての内容を発信していきます。