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非特異的腰痛と特異的腰痛の現状:最新研究の視点

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腰痛は一般的に非特異的腰痛と特異的腰痛に分類されます。これまでの研究によれば、全腰痛の約85%が非特異的腰痛、15%が特異的腰痛とされています。この比率は、1992年にデヨ博士がJAMA誌に発表した論文や2001年のニューイングランドジャーナルオブメディスンの研究で支持されています。非特異的腰痛とは、原因が特定されない腰痛を指し、特異的腰痛は病因が明確に診断されるケースです。

日本での研究結果:非特異的腰痛の再定義

2016年に行われた「山口スタディ」では、腰痛を主訴とした初診患者300名以上を対象に調査が行われました。その結果、21%が特異的な脊椎疾患による腰痛であると診断され、残りの79%が非特異的腰痛とされました。しかし、この79%の患者について詳細な診断を進めると、実に72%のケースで病因を特定することが可能であると判明しました。これにより、非特異的腰痛の実際の割合は22%に過ぎないという新たな見解が得られました。

腰痛の発生源:最新の理解

非特異的腰痛の原因として、以下が挙げられます:

◯椎間板性腰痛
◯椎間関節性腰痛
◯仙腸関節性腰痛
◯筋膜性腰痛

これらの疾患は、ブロック注射を使用して診断可能です。注射後に痛みが軽減すれば、原因となる部位が特定される仕組みです。

椎間関節と仙腸関節の研究

椎間関節の診断

椎間関節痛の診断には、近年PET/MRIを用いた画像診断が試みられました。しかし、2022年のランダム化比較試験では、これらの方法が診断に有効であるという証拠は得られませんでした。したがって、椎間関節痛は現時点では画像診断で特定することが難しいとされています。

仙腸関節痛とその治療

仙腸関節痛は、その存在自体が議論の的となってきました。しかし、動物実験や感覚神経の支配範囲の研究により、仙腸関節が痛みを引き起こす可能性が支持されています。また、仙腸関節の固定術(iFuseインプラントやRialtoインプラントを使用)により、痛みが有意に減少することが確認されています。この治療法は保存療法よりも効果が高く、オピオイド使用を減らす結果が得られています。

仙腸関節知覚技はpostrior sacral network (PSN)支配

◯L5:8%
◯S1-2:100%
◯S3:88%
◯S4:4%

Ultrasound-guided radiofrequency Ablation for SI joint pain:An observational study

研究の意義と今後の課題

これらの研究結果は、従来の非特異的腰痛の定義が過度に広範であった可能性を示唆しています。原因の特定が可能な疾患を見逃さないためには、さらなる診断技術の発展が求められます。また、個々の疾患に適した運動療法や治療法の開発が重要です。

>>椎間板性腰痛

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