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日本病院会、2026年度診療報酬改定に向け要望書提出|病院経営の逼迫を強く訴え

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日本病院会は19日、2026年度(令和8年度)診療報酬改定に向けた要望書を厚生労働省の鹿沼均保険局長宛に提出しました。今回の要望書では、物価・人件費の高騰に伴う病院経営の悪化を背景に、診療報酬の抜本的な見直しを求めています。

日本病院会は、全日本病院協会、日本医療法人協会と共同で実施した調査をもとに、2024年度改定後も医業費用の増大が医業収益の伸びを上回っており、多くの病院が赤字経営に陥っていると報告。病床利用率は回復傾向にあるものの、利益率は依然として低迷し、厳しい経営環境が続いていると指摘しました

要望書では、以下の7点を中心に訴えています。

  • 入院基本料の引き上げ:7対1入院基本料は18年間ほぼ据え置かれており、昨今の物価変動に対応していないと強調。

  • 消費税補てんの再評価:実態に合わない補てん率が病院経営をさらに圧迫しているとして、補てん点数の見直しを要求。

  • ベースアップ評価料の改善:対象職種の限定と過剰な事務負担を問題視し、入院基本料への統合も提案。

  • 重症度・医療看護必要度Ⅱの基準緩和:内科系高齢者患者が多い医療機関にとって、現行基準では厳しすぎると主張。

  • 診療録管理体制加算の増点:2000年から据え置かれている30点の加算点数は、実情に合っていないと批判。

  • 医療DXへの診療報酬評価:導入・維持コストが高額であるため、診療報酬による恒常的支援を要望。

  • 薬剤業務の加算新設:タスクシフトによる薬剤師の業務拡大に対応し、PBPMへの保険点数の付与を訴え。

さらに精神科医療に関する要望も多岐にわたり盛り込まれ、認知症患者の救急受け入れ加算対象拡大や、精神科医師配置加算の要件緩和、通院・入院精神療法に関する点数の見直しなどが提起されました。

過去の記者会見でも日本病院会は「2024年度改定では現場の期待に応えきれなかった」と繰り返し述べており(同1同2)、今回の要望書は、次期改定に向けて「診療報酬の構造的再設計」を促すものといえます。

厚労省側からの具体的な回答は現時点で示されていませんが、医療提供体制の持続可能性をどう確保していくのか、今後の議論の行方が注目されます。

▶︎https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1747633279.pdf

日本病院会、2026年度診療報酬改定に向け要望書提出|病院経営の逼迫を強く訴え

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