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少年野球における傷害予防の最前線 ― エビデンスに基づく肩・肘障害予防プログラムの実践ガイド

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目次

はじめに

ユース野球における傷害は、選手の競技継続や将来性に大きな影響を与える深刻な問題です。特に投球動作に伴う肩・肘の障害は、成長期の選手において高い発生率を示しており、適切な予防策の確立が急務となっています。

野球は日本において最も人気の高いスポーツの一つであり、小学生から高校生まで約300万人の選手が参加しています。しかし、投球動作の特性上、肩関節や肘関節には大きな負荷が加わり、特に成長期の選手では骨・軟骨・軟部組織の発達段階にあることから、傷害リスクが高くなります。

近年、エビデンスに基づいた傷害予防プログラムの開発と検証が進み、特にSakata氏らによる一連の研究により、具体的で実践可能な予防策が明らかになってきました。本記事では、最新の研究成果を踏まえ、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が臨床現場や地域活動において活用できる実践的な情報を提供します。

野球における傷害の現状−意外と深刻な実態

数字で見る野球傷害の実態

まず現状を把握してみましょう。少年野球での傷害発生率は、1000時間の活動あたり1.26〜4.0件と報告されています。これは決して低い数字ではありません。特に注目すべきは、その多くが「オーバーユース」、つまり使いすぎによるものだということです。

「今日は100球投げた」「連続で3試合先発した」といった話を聞くことがありますが、まさにこれが問題の根源です。大人なら筋肉痛で済むようなことでも、成長期の子どもでは骨や軟骨に深刻なダメージを与えてしまうことがあります。

「野球肘」「野球肩」はなぜ起こる?

野球肘の正体は、主に内側上顆炎です。投球時に肘の内側にかかる強い引っ張り力が、繰り返されることで炎症を起こします。さらに厄介なのは、成長期特有の「離断性骨軟骨炎(OCD)」のリスクです。これは将来的に肘の動きに制限を残す可能性があります。

野球肩では、投球の繰り返しで肩の後ろ側が硬くなってしまう現象(専門的にはGIRDと呼びます)がよく見られます。「最近、肩が回らなくなった」という選手がいたら、要注意のサインかもしれません。

興味深いのは、肩の問題が肘にも影響を与えることです。肩の動きが悪くなると、その分肘に負担がかかってしまうんですね。体は連鎖しているということを改めて実感させられます。

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