県立広島大学から初の大学発ベンチャー企業2社が立ち上がりました。このうち長谷川正哉教授(理学療法学コース)が設立した1社は、足裏を刺激する特殊なインソールの開発・販売を手がけます。
従来とは異なる転倒予防策
長谷川教授が開発したインソールは、足の裏に突起を配置した構造が特徴です。高齢者のつまずきや転倒を防ぐため、足裏への刺激を通じて正しい歩行を促す仕組みになっています。
「体重をかける所を自分でコントロールしないといけない」と長谷川教授は説明します。「足をさぼらせるためのインソールでなく、足を使うためのインソール」というのが開発コンセプトです。
口頭での指導では伝えにくい歩行のコツを、物理的な刺激で体感させる点が従来の手法と大きく異なります。
リハビリ現場への応用期待
このインソールは、PT・OT・STが携わる高齢者のリハビリテーション現場での活用が見込まれます。転倒予防は医療従事者が直面する重要課題の一つで、新たなアプローチとして注目を集めそうです。
大学側は今回のベンチャー設立を機に、学生の起業意識向上も期待しています。研究成果の社会実装という観点から、教育現場でも参考事例として活用される予定です。
県立広島大学では産学連携を通じた地域貢献を重視しており、今後も類似の取り組みが続く見通しです。
▶︎https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/press-release/pr250509.html
※本記事は大学発表の資料に基づきます。