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急性期から中枢性感作が関与した頚部痛症例

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発症初期から中枢性感作が関与していると疑われた場合、ペインクリニックとリハビリテーションの協働診療ではどのようにしたらよいかの例を症例で示してみました。

目次

週の真ん中水曜日の江原です。

疼痛の神経生理学的なメカニズムであり、痛覚変調性疼痛にも関連が深いを言われている中枢性感作。

慢性疼痛カテゴリーで語られることもありますが、臨床的には急性疼痛にも関係します。

本日は自験例での急性発症の頚部痛患者に認められた中枢性感作について、疼痛メカニズムの鑑別と理学療法アプローチを行い、ペインクリニック科と共同で疼痛改善したについて検討した症例(モデル症例)ついて書きます。


症例

  • Aさん 50歳代 男性 現在デスクワーク
  • 診断名:頚椎症性神経根症・頚部椎間板ヘルニア・右肩関節周囲炎
  • 画像所見:頚椎レントゲンにてC3-C7椎体変形に伴う右C4/5、5/6、6/7、左5/6、6/7、椎間板菲薄化に伴う椎間孔狭小化が認められる
  • 検査所見:血液検査異常なし
  • 経過:数年前に頚部痛が発症したが、治療により改善した。受診1か月前に引っ越し手伝いをしたところ、疼痛が増悪し発症した。当院ペインクリニック科で治療開始するも疼痛改善なく、2w後にリハビリテーションを開始した。

理学療法評価

  • 疼痛部位:右頚部・右肩・右上腕 両手こわばり
  • 疼痛強度:右上腕NRS10/10 右頚部NRS7/10 
  • 疼痛出現:安静時痛 起床と共に出現する 運動や作業量/活動量による疼痛増悪はない
  • 疼痛の質:ビリビリ
  • 疼痛スクリーニング Pain DETECT(PD-Q) 11/38 CSI45/100
  • 視診:特記事項なし 
  • 触診:疼痛部位に圧痛無し むしろ安楽感がある 両側前腕内側の圧痛あり
  • 姿勢アライメント:前方頭位姿勢・両肩甲骨挙上位・著明な腰椎前弯・骨盤前傾増強位
  • ROM:頚部前屈50°後屈40° 側屈30°/30° 回旋50°/60° 肩関節屈曲140°/140° 伸展20°/40° 外旋60°/60° 内旋80°/80° 手関節背屈70°/70°
  • MMT:三角筋4/5 握力35.0/33.5Kg
  • 整形外科的テスト:スパーリングテスト+/ー
  • ADL:NDI35/50点
  • 心理社会的要因:PCS48/52点(反すう20 無力感18 拡大視10) 

図1 症例の疼痛部位


統合と解釈

疼痛メカニズム鑑別

本症例の診断や画像所見に基づく疼痛メカニズムの鑑別について表1にまとめました。

急性期から中枢性感作が関与した頚部痛症例

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