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アスリートに「試合前の禁欲」は本当に必要か?──試合前のコンディショニングに関する2025年最新知見

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アスリートと「禁欲神話」の歴史

「試合前はセックスするな」──このアドバイス、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

伝説的ボクサーのモハメド・アリは試合前6週間の禁欲を公言していました。サッカーのワールドカップでは、代表チームが選手村での「夜の営み」を禁止するケースも珍しくありません。古代ギリシャのオリンピック選手たちも、競技前は性的エネルギーを温存すべきと考えていたとされています。

でも、ちょっと待ってください。この「常識」、本当に科学的根拠があるのでしょうか?

実は近年、この疑問に正面から挑んだ研究が次々と発表されています。そして結論から言うと、「禁欲神話」はかなり怪しくなってきています。

2022年、カリフォルニア大学のZavorskyらが9つの研究(計133名)を統合分析した結果、衝撃的な事実が明らかになりました。性的活動の30分〜24時間後に測定した体力テストの成績は、禁欲した場合とほぼ変わらなかったのです。有酸素能力も、筋持久力も、瞬発的なパワーも、統計的な差は認められませんでした。

ただし、話はそう単純ではありません。同じ2022年、トルコの研究チームは「性交後24時間以内はスクワットの重量が落ちる」という真逆の結果を報告しています。一体どちらが正しいのでしょうか?

この矛盾を解くカギは、2025年12月に発表されたばかりの最新研究にありました。

2025年最新研究:30分前でも大丈夫?

どんな実験だったのか

スペイン・バジャドリッド大学のFernández-Lázaroらは、21名の高レベル男性アスリートを対象に、かなり大胆な実験を行いました。バスケ、バレー、長距離走、ボクシング、柔道の選手たち。平均トレーニング歴8年、週4日以上練習している本格派です。

実験の流れはこうです。まず参加者は2つの条件を、順番を入れ替えて両方体験します。

条件A(性的活動あり):標準化された映像刺激を見ながらマスターベーションでオルガズムに達する → 15分間リラックス → 30分後に体力テスト

条件B(禁欲):7日間の禁欲 → 中性的なドキュメンタリーを視聴 → 体力テスト

テスト内容は、自転車エルゴメーターでの漸増負荷試験(限界まで漕ぎ続ける)と握力測定。さらに血液検査で筋肉のダメージやホルモンの変化も調べました。

アスリートに「試合前の禁欲」は本当に必要か?──試合前のコンディショニングに関する2025年最新知見

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