衆議院予算委員会(3月2日)で、令和8年6月施行の診療報酬改定をめぐる論戦が交わされました。日本維新の会の斎藤アレックス議員が病院・診療所間の経営格差を正面から問題提起し、従来型の改定手法からの決別を要求。上野健一郎厚生労働大臣は、高度機能を担う病院への特例措置として改定率のうち0.14%を充当する方針を明言しました。
「前例踏襲ではもはや現場を守れない」――斎藤議員が構造問題を直撃
斎藤議員は、物価高騰と賃上げ圧力にさらされる高度医療現場の実態を示しながら、従来の改定手法を名指しで批判しました。
「医科歯科の配分比率を固定した、足して2で割るような前例踏襲ではもはや医療現場を守ることはできない」
同議員が主張したのは、「診療所から真に困難な医療を行う病院へと、大胆な財源の配分を断行すること」。昨年末の改定で医科を病院・診療所に分けて改定率を示したことを「改革の第一歩」と評価しつつも、「まだ第一歩に過ぎない」と述べ、政治主導での踏み込みを求めました。「過去の慣行を打ち破り、医療施設類型ごとにデータに基づいた筋肉質な診療報酬改定を政治の意思で断行してほしい」とも訴えました。
上野厚労相、令和8年度改定の骨格を答弁
上野大臣は令和8年度改定の方針として3点を示しました。物価上昇に対応する物価対応分の新設、賃上げ原資の規模・対象を広げるベースアップ分の拡大、そして高度機能病院への0.14%特例措置です。
特例措置について大臣は「高度機能を担う病院は物価の影響を受けやすい」との認識を示した上で、「6月の施行に向けて、措置が適切に活用されるよう周知に努めたい」と述べました。
次回改定以降のあり方については「今回の改定による影響を検証し、検討していく」と述べるにとどまり、斎藤議員が求めた抜本見直しの明言は避けました。
「検証してから」と「今すぐ断行を」――溝は残ったまま
斎藤議員は大臣答弁に一定の理解を示しつつも、「医療資源の適切な配分のためには診療報酬改定の抜本見直しも必要」と重ねて要求し、与党協議での継続審議を求めました。財源の組み替えという踏み込んだ議論については、今後の協議に委ねられた形です。
まとめ・今後の展望
令和8年度診療報酬改定は令和8年6月施行予定です。高度機能病院向け0.14%特例措置の活用内容については、厚労省による周知が進む見通しです。病院・診療所間の財源配分の抜本的な見直しについては、与党協議の中で継続して議論されます。
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