日本作業療法士協会の第4代会長を務めた杉原素子先生(国際医療福祉大学名誉教授)が、2026年2月5日にご逝去されました。謹んでお知らせするとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
主なご経歴・ご功績
杉原先生は1968年にお茶の水女子大学大学院人文科学研究科を修了後、米国・南カリフォルニア大学作業療法学科で学び、作業療法士免許を取得しました。東京都の日本人教員育成施策の下で渡米し、帰国後の1973年9月、都立府中リハビリテーション専門学校に教員として着任。同年12月に米国資格を日本の作業療法士資格に書き換え、以来50年以上にわたり作業療法の教育・研究・臨床に身を捧げました。
1979年、第13回日本作業療法士協会学会の学会長に就任。同年、初代教育部長として現在まで続く生涯教育事業の基礎を築きました。1985年からは事務局長として協会運営の中枢を担い、第二次長期活動計画の策定を主導しています。
1995年には国際医療福祉大学保健学部作業療法学科の学科長に就任。のちに同学部長、大学院教授を歴任し、教育・研究の両面で後進の育成に注力しました。
2001年に日本作業療法士協会の第4代会長に就任し、4期8年にわたり組織を率いました。在任中の主な実績は、生涯教育単位認定システムの全面改定、認定作業療法士制度・専門作業療法士制度の創設、事例報告登録制度・課題研究助成制度の立ち上げなど多岐にわたります。2000年の介護保険法施行を受けて訪問リハビリテーション専門機関の必要性を訴え、地域リハビリテーション支援体制の強化を精力的に推し進めました。全会員加入型の「作業療法士総合補償保険制度」の導入も、杉原先生の手によるものです。
とりわけ広く知られるのが、2008年から2012年の5年間で掲げた「地域生活移行支援の推進~作業療法5・5(GO・GO)計画~」です。医療に5割、地域生活の場に5割――この配置目標は、医療機関中心だった作業療法士の活動領域を在宅・福祉・教育・就労支援へと押し広げる戦略的提言でした。日本作業療法士協会の山本伸一会長(第6代)は追悼文の中で、5・5計画を「単なる配置の比率ではなく、『生活を支える専門職』としての戦略的提言」と位置づけ、「その精神を受け継ぎ、医療と地域の双方において国民の生活を支える存在であり続けなければなりません」と述べています。
国際舞台での貢献も大きく、1995年から2001年にかけてWFOT(世界作業療法士連盟)の第一代理・第二代理を歴任。会長退任後の2009年から2025年までは日本作業療法士連盟会長を務めました。2021年秋には、協会推薦により旭日小綬章を受章しています。
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