キャリアコンサルタントが徹底サポート

田中まさし議員、PT養成校時代の経験もとに高校教育改革を質す──「卒業時に700万円の借金、48歳まで返済」

435 posts

田中まさし衆議院議員(自民)が、3月10日の衆議院文部科学委員会で高等学校等就学支援金制度の拡充に関する法案審議に立ちました。北海道のPT養成校で23年間教壇に立った経験から、経済的理由で進路を断念する学生の実態を具体的に示し、専門高校の衰退や公立高校の存続問題について松本洋平文部科学大臣らに見解を問いました。

「卒業時に700万円の借金、48歳まで返済」──養成校教員としての原体験

田中氏は冒頭、自身がかつて北海道でPT養成専門学校の教員を務めていた経験に触れました。「なんとかこの道に進みたいが、経済的な問題がある」と断念した保護者を数多く見てきたこと、奨学金や学資ローンを積み重ねた結果、卒業時点で700万円の借金を抱え、48歳まで返済が続く学生がいた現実を語り、今回の授業料無償化法案への期待をにじませました。

今回の法案は、高等学校等就学支援金制度の所得制限を撤廃し、支給上限額を引き上げる内容です。ただし入学金をはじめとする関連費用は対象外であり、田中氏は保護者への正確な周知の必要性も指摘。文部科学省の望月禎初等中等教育局長は「誤解がないよう、市町村教育委員会等とも連携しながら周知に努める」と応じました。

専門高校の生徒数、20年間で約35%減──普通科を上回る減少幅

質疑の中で注目されたのは、専門高校の現状に関するデータです。望月局長の答弁によれば、農業・工業・商業・家庭・水産・情報など職業に関する8学科を擁する専門高校の生徒数は、現在全高校生の約17%。うち約85%が公立高校に通っています。

20年前(平成17年度)と令和7年度を比較すると、生徒数は約75万人から約48万人へと約35%減少。学科数も2,419から1,889へ22%減りました。普通科の生徒数減少幅が約19%であるのに対し、専門高校は35%と大幅に上回っています。

田中氏はこの数字を受け、「エッセンシャルワーカーの育成や地域産業を支える人材を輩出してきた専門高校への支援は急務だ」と訴えました。

公立高校がゼロまたは1つの自治体、全国で63.9%

公立高校の存続問題にも議論は及びました。望月局長は、公立高校が1つもない市町村が全国の29.1%、1つしかない市町村が34.8%にのぼると説明。合計すると63.9%の自治体で公立高校がゼロまたは1校という状況です。

田中氏は自身の出身地である北海道を例に、「ゼロまたは1の市区町村が82.4%。通学に膨大な時間がかかり、高校の選択肢がほとんどない」と述べ、施行後3年以内に予定されている検証では、こうした地域の実態を十分に考慮するよう求めました。

松本文科大臣、「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」育成へ支援を明言

松本洋平文部科学大臣は、先般公表した高校教育改革に関する基本方針「グランドデザイン」の狙いについて答弁。2040年を見据え、「AIに代替されない能力や個性の伸長」「我が国や地域の経済社会の発展を支える人材育成」「一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保」の3つの視点を示しました。

具体策として、令和7年度補正予算で設けた「高校教育改革促進基金」を通じ、専門高校をはじめとする公立高校を対象にパイロットケースの創出に取り組む方針を表明。産業界の伴走支援による教育内容の刷新や、企業の専門人材を「工業エキスパート」として招聘する仕組み、産業教育施設・設備の整備支援などを挙げました。

松本大臣は自ら3党協議の実務者として現場の声を聞いた経験にも触れ、「農業高校ではGPSを活用した自動トラクターが実用化されているのに、実習でそうした技術を教える機材が整備されていない」という具体例を紹介しています。

まとめ・今後の展望

今回の質疑では、田中まさし議員が医療専門職の養成教育に携わった当事者の視点から、高校段階での経済的支援と専門高校の機能強化を一体的に問いました。法案は施行後3年以内に検証・見直しが行われる検討規定を含んでおり、公立高校への影響も検証対象となります。各都道府県はグランドデザインに基づく実行計画を今後策定する予定で、文部科学省は交付金等の新たな財政支援の仕組みについても検討を行うとしています。

▶︎文部科学委員会 

田中まさし議員、PT養成校時代の経験もとに高校教育改革を質す──「卒業時に700万円の借金、48歳まで返済」

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事