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エビデンスと実際の臨床を繋ぐ(株)メドレー -理学療法士(PT) 藤本 修平先生 - episode1

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大学院と病院のバランス

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最初は、親から勧められていたのを疑いもなく受け入れていたというのもあり、なんとなくの希望で漠然と医師になろうと思っていました。

ただ、浪人しているときに自分がヘルニアになって整形外科に通ったのですが、いつも時間を掛けて治療してくれたのが、医師ではなく、理学療法士でした。

そういう経験から、自分は時間を掛けて患者さんと接する方が向いていると思い、理学療法士に進路を方向転換しました。

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はじめの就職は、研究もしたいという気持ちがあり、大学院に通いながら、非常勤で病院に勤めました。ただ実際、臨床にでるとやっぱり面白くて、逆に研究が疎かになってしまった時期もありましたね。そのバランスをとるのはすごく難しかったなと思っています。

理学療法士1〜2年目では、主に外来患者さんと小児の患者さんを見ていました。小児のリハビリでは、親のメンタルも含めてフォローする必要があります。子供が将来どうなっていくかという見えない部分に対しての不安はかなり大きくて、それをお母さんが泣きながら話してくれたりすることを経験しました。

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外来だと、他の医療者に話す機会が少なかったこともあったようです。その小児の学校など実際の生活場面に赴いて、友達とうまくコミュニケーションをとるための環境設定などを先生に提案したりもしました。

理学療法士1年目から、様々な関わり方ができていたのが本当に楽しかったですね。その関わり方に、しっかり根拠を持ちたいと思い始めたのが、今の博士課程の研究テーマにつながっています。

Shared decision makingと診療ガイドライン

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今行っている研究は、「理学療法士と患者さんが治療に関して、どんな情報をもとに、どんなコミュニケーションをとって意思決定をしているか」についてです。

臨床では、論文や診療ガイドラインなど、エビデンスがあると言われている治療法を、そのまま当てはめて治療をしたり、一方で経験に基づいた考え方をそのまま当てはめる人もいます。解剖学のみをただ当てはめて、治療にあたる人もいるように思います。

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本来のEvidence Based Medicine (EBM)というのは、エビデンスに加えて、環境や患者さんの希望・価値観、医療者のスキルなどを統合して提供するものですが、どれかに偏って治療をしている人が多いと思います。

そこで私は、「この治療をしましょう」という意思決定を生むまでのプロセスの中で、どんな情報のやり取りがあり、どのように患者さんとコミュニケーションをとる必要があるのかということを調べています。

このプロセスで重要となるキーワードが、Shared decision making(SDM、日本語訳ですと統一されたものはないですが、「共有意思決定」と私は言っています)です。

次回>>「ガイドラインに書いてあるからOKではない」

藤本修平先生経歴

理学療法士 7年目
弘前大学医学部保健学科、弘前大学大学院修了(保健学修士)
東京湾岸リハビリテーション病院
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 博士後期課程(〜現在)
株式会社メドレー(〜現在)

■研究テーマ/専門分野 診療ガイドラインの質評価、Shared decision makingの方法論、臨床倫理、健康情報学 研究方法論 (代表論文などはコチラ

■著書 行動医学テキスト(分担執筆)、中外医学社、2015年

■お問い合わせ 診療ガイドライン、Shared decision making、研究方法論などに関するお問い合わせは、shuheifujimototbr*gmail.comへ(*を@に変換してください)
エビデンスと実際の臨床を繋ぐ(株)メドレー  -理学療法士(PT) 藤本 修平先生 - episode1

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