夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている妻は、夫がその病気で治療を受けていない妻と比べ、同じ病気で治療を受けている割合が約1.5-2.6倍高いー。
筑波大学の田宮菜奈子教授、杉山雄大准教授、渡邊多永子元助教(現厚生労働省)らの研究チームは、2016年国民生活基礎調査の匿名データを2次利用し、夫が生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)で治療を受けていることと、妻が同じ病気で治療を受けていることとの関連を分析した。
▶︎ http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p202008031000.html
多くの夫婦は遺伝的つながりがありませんが、同居して同じ食事を摂るなど、飲酒や飲食、喫煙、運動など互いのライフスタイルに影響を与え合う。このように生活が似通うことで、配偶者が生活習慣病を持つ人は、そうでない人と比べて、配偶者と同じ生活習慣病を発症するリスクが高いと考えられる。
研究チームは、共に40歳以上の86,941組の夫婦を対象として分析。夫婦の居住場所や経済状況、妻の年齢・学歴・飲酒・喫煙・他の疾患での治療の有無の影響を調整した上で比較した結果、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている妻が同じ病気で治療を受けるリスクは、夫がその病気で治療を受けていない妻と比べ、それぞれ約1.8倍、1.5倍、2.6倍であることが示された。
本研究の成果は、BMJ Openに2020年7月28日付でオンライン公開されている。